「優しい愛の物語」インクレディブル・ハルク 桜さんの映画レビュー(感想・評価)
優しい愛の物語
アメリカ軍のスーパーソルジャーを作るための実験に、利用され実験体となり「ハルク」へと変貌を遂げてしまったブルース・バナーが、愛する人と人々を守るために奮闘するという話。
この映画はそんなに評判は高くなく、むしろ無かったものにされかけているわけだが、個人的にはMCUを全て見た上でも、好きな映画の1つである。
好きな理由として、とにかく優しい映画だということ。
勿論主人公のバナーは心優しき男だし、恋人のベティはバナーがいなくなって新たな恋人を作るわけだが、偶然再会した瞬間に「待って。もうどこにも行かないで」と雨の中抱き合う。ここはかなりの名シーン。
そこから命を賭してバナーを守り続けていて、強く優しい。
よくある話だと、新しく恋人がいて生活があれば、元サヤに戻る事はなかなかないと思う。
それでもずっと愛し続けていたベティも素敵だし、じゃあ今カレは嫉妬に燃えて復讐し出すかと思えば、ベティの身を案じ、ロス将軍とバチバチしちゃう程に優しい。
ハルクも、結構無差別な暴れん坊のイメージがある気がするけど、ベティだけはずっと守り続け、ベティの安全を脅かされるのではと雷に怒っちゃう可愛さもある。
長年夢見たハルクを消す事に成功するも、町の人々を守るためにもう一度ハルクとなり、ベティとの幸せな日々を送る事を諦め、1人寂しく田舎暮らしをするというなんとも切ない展開で幕を閉じる。
まさにハルクらしい展開で、とても好き。
ベティも大好きだし、冒頭に出てくるブラジルの工場で働く女性もめちゃくちゃ可愛いから、ドラマ「シーハルク」とかで2人共復活しないかなとか絶対に有り得ないであろう淡い期待を抱いています。
ベティとバナーの逃亡生活の描写も好き。
結局お金や障害があって不便な暮らしでも、愛する人と一緒にいられる事が何より幸せであるという事を描いてくれている気がする。
アボミネーションもかっこいいよねぇ。
「シャンチー」で見た目変わってちょっとダサくなっちゃったけど、シーハルクでの俳優さん共々の復活はとても嬉しい。
ロス将軍の俳優さんもお亡くなりになられて、勿論再出演は無いが、とてもじゃないけど好きになれない憎らしい悪役を演じ切っており、素晴らしい方だと思っています。
バナーの俳優さんもアベンジャーズから変更になってしまったが、どちらも好きなのでしょうがない事情だったのかなぁと納得。
ベティと一緒にカメオ出演とかしてくれると飛び跳ねるけど、多分ないよなぁ。
とにかく、低評価の多い作品だが私は大好きな作品なので、これから何度も見返します。