劇場公開日 2009年5月29日

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「トレッキーはがっかり、でも面白さはシリーズ1番かも」スター・トレック こもねこさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0トレッキーはがっかり、でも面白さはシリーズ1番かも

2013年3月12日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

結論から先に言うことになるが、この作品をひと言で表すと、「スタートレック入門編」だ。だから、他のスタートレックのファンの方々の評価は当然だと思う。この作品以降からスタートレックのいつもの宇宙の旅が始まるのだから、スタートレックのシリーズ本来の哲学や人間味などまったくなく、スタートレックのファンには、まったく物足らない内容と言われてもいたし方ない。

 しかし、スタートレックのシリーズから離れて、一本のSF宇宙アクション映画として見ると、昨今の同じようなものの中ではトップ・ランクの内容だと思う。スタートレックのファンから言うと、主人公のカークの性格が無鉄砲すぎるところは気になるが、直感で動いて危機を脱していく、見ていて手に汗握るくらいにハラハラするアクションの連続には思わず見入ってしまった。その内容からエンタープライズの艦長になるまで、というのは、カークとスポックの関係の構築とアクションが並行して描いていく演出のうまさにも感心するばかりだった。この作品の監督のJJ・エイブラムスは、テレビシリーズの「エイリアス」などで見ていて、ちょっとこけおどしのような演出が目についていたのだが、この映画ではきちんと点と線を繋ぐ物語の流れを大事にしていて好感がもてた。自分自身、スタートレック・シリーズのファンなので、ちょっと悔しい気分なのだが、今までのスタートレック映画の中では一番の出来だと思う。

今の「スタートレック・ジェネレーション」が、あまり好評でもないようなので、アメリカ本国でもスタートレックは過去のテレビ・シリーズになりつつあるらしい。だから。この作品からスタートレックの新しいファンが増えるのなら、トレッキーのひとりとして、とても嬉しいことなのだが...。

こもねこ