「ひねりの効いたブラックなラスト、これぞSF!」レポゼッション・メン マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)
ひねりの効いたブラックなラスト、これぞSF!
高額ローンで買った人工臓器。払えなければ強制的にレポ(回収)される・・・早い話が殺される。レポを請け負う取立人=殺し屋という図式だ。
作業中の事故で、回収人本人が人工臓器を移植する羽目になり、追う側から追われる立場に逆転する。組織から追われる一匹狼を描いたサスペンスとアクションの要素が一気に増幅する。
ただし、ここで『ジェイソン・ボーン』シリーズなどを連想してはならない。
とにかく身体を引き裂いては、臓器を入れたり出したり、まるでSF版「死霊のはらわた」のごとし。痛いわキモいわだが、音楽が妙に軽快だったり茶化したりするものだから、つい機能的で美しいデザインの臓器に見とれてしまう。
近未来に起こりうるデリケートな問題を恐怖映画に仕立て、あり得ない展開も何のその、ひねりの効いたブラックなラスト。これぞSF!
今年は、「サロゲート」「月に囚われた男」など、昔よくあったB級SFのような作品が多く、SFファンとしては嬉しい限りだ。
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