劇場公開日 2011年3月19日

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「ストップモーションでもアンダーソン節」ファンタスティック Mr. Fox REXさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ストップモーションでもアンダーソン節

2019年2月4日
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普段ストップモーションアニメは好んで見ないのだけど、ウェス・アンダーソン監督だからつい見てしまった。
最初はなかなか入り込めなかったが、次第にこの監督の世界に引き込まれていった。
妙にリアルな毛の質感や眼球を持つ動物たちが、「不気味の谷間」を通り越して可愛いく思えてくるから不思議。
ストップモーションのかくかくした動きや、静止した表情のアップに妙な味わいを感じて、癖になる。
特に人間に雇われたガンマン風ドブネズミの動きが最高。ついでになんで狐と等身大なのよ。

話は動物と人間の騙しあいのいたちごっこなので大したことはないが、細部まで造りこまれた背景や小道具を観察するのが楽しい。この監督、列車が好きなんだろうな。
ディズニーやピクサーのように滑らかすぎる動きのアニメばかりが世を席巻しているので、たまには手作り感たっぷりの、どこか不気味さを持つ絵本のような、こういうアニメも新鮮。想像力が刺激される。

最初はなんでウェス・アンダーソンがアニメをオファー?と思ってましたが、近年【犬が島】が公開されて監督自らが好きだったんだねと納得。また、声優陣にジョージ・クルーニー、メリル・ストリーブ、ビル・マーレー、ウィレム・デフォーなど豪華な俳優たちが起用されていて、驚いた。

REX