「犬の十戒、人間の誤解。」犬と私の10の約束 ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
犬の十戒、人間の誤解。
大ヒットした「いぬのえいが」の中の短編、
「ねぇ、マリモ」では鼻水をたらして号泣した私ですが…^^;
今回はほとんど涙は出ませんでした。というのも、今作では
犬と人間の「あたりまえ」の日常を、サラリと描いているから。
本当に自然で(もちろん芝居がかった演出はありますけど^^;)
例えば犬でなくとも、長い間動物を飼っていれば色々あるし、
ましてや子ども時代の無責任な世話の数々(汗)というのは
誰しも経験があることだと思います。
いまや「お犬さま」扱いされているペット犬たちですが、
彼らが人間さまに対して変わらない忠誠心を誓うのに対し、
可愛いだけでは決して飼えない動物への愛情をはき違え、
他人の家の前でも、ウンチおしっこ、させ放題。さらには
「飽きた」といっては捨ててしまう心ない飼い主もいます。
よく「寂しいから」といってペットを飼う人がいますけれど、
例えば一日中一人暮らしの部屋の中に置き去りにされる
ペットの方が、よっぽど寂しいじゃないかと私は思います。
それでも「私にはあなたしかいません。」と忠誠を誓った
ペットたちは、飼い主を癒すべく頑張って生きているのです。
そういう彼らのことを、もっと分かってあげてくださいね…
というのがこの「犬の十戒」なのかなぁという感じがします。
映画としては犬と人間の日常を描いているので、
主人公の子供時代から約10年間、犬のソックスと共に
暮らした日々が淡々と綴られていきます。
本当に犬を飼われている人が観たら「?」と思うシーンも
あると思うのですが^^;まぁ、あんまり細かいところに拘らず、
サラリと観られる感じはします。
あと犬とは関係ない部分なのですが、加瀬亮が演じる星くん
というキャラクターの「ギター」が上手いのにビックリです!
本筋とはあまり関係ないんですが^^;あのポップスの名曲
(80年代だわぁ~)が繰り返し歌われるので、とても懐かしい。。
なんたってお父さん、布施明ですしね(爆)
生き物を飼うというのは、ただのブームや格好ではなく、
目の前の一つの命を最期まで見守ることなんだと思います。
だから死ぬまでずっと傍にいてあげることは当然のはず。
今作のソックスも、とても幸せな最期を迎えるのですが、
やはりそこだけは、どうしたって涙が出てしまいました…。
悲しいけれど、本当に今までありがとうね。とペットに対して
感謝しまくってしまうのは、実はこういう時なのだなぁと。
こんなことなら生きているうちにもっと○○してやれば…
なんて(人間でもそうだけど)後悔の念が生まれてしまう。。
あたりまえの日常の中に家族の一員として、ペットたちが
いたんだなぁと、改めて気付かされる瞬間なんですよね。。
(動物を飼っている方は必見。約束はぜひ守りましょう!^^;)