「ラメェル」Mr.ビーン カンヌで大迷惑?! 津次郎さんの映画レビュー(感想・評価)
ラメェル
楽しい映画だった。ロンドンは霧の都、雨ばかり降っている。冒頭、その鬱蒼が描かれる。そこから海と陽光の南仏へ旅するビーン。
しっかり起承転結する。
とりわけラストシークエンスの開放感。
映画館の開いた扉、こぼれる光、ゆめのように素敵な曲La merがかかって、吸い込まれるように海へ向かう。で、わたしたちが海に対峙したときの「海だあ~」の叫びをビーンが代弁し、出演者全員でLa merを大合唱。いい。
ローワンアトキンソンの映画としてもいちばんいい。レストランで海鮮盛りを食べるシーンもいい。女優の卵を演じたEmma de Caunesも魅力だった。ウィレムデフォーは観念的でこまちゃくれた映画監督という役回り。モデルは一時期のテレンスマリックだろうか。気どってるけれど単純でもあり、ビーンのカメラテクニック──ハンディカメラを押し出して引っ込めるを繰り返すだけなんだが──を真似るのが笑えた。無害な笑いと大団円のラメールでむしょうに記憶に残っている。
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