劇場公開日 2008年5月24日

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「ランボー=アメリカ代表ではない」ランボー 最後の戦場 ニシリさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0ランボー=アメリカ代表ではない

2008年5月20日

泣ける

興奮

知的

映画の楽しみ方って色々あります。単にその作品単体でストーリーやら、なにやらを楽しむとか、監督や俳優の演技を云々言うとか色々です。この映画は、ランボーのこれまでの道のりを知った上で観ると実に感慨深く、素晴らしい映画です。1作目で自分の為に戦ったランボーは、2作、3作と戦ううちに、いつの間にか国家の象徴に祭り上げられます。そして、「ランボー」はいつの間にか、その作品内容ではなく、主にアメリカを非難する際の国家論に使われる様になってしまいました。本作は、そんなランボーが一人の人間として描かれています。数少ないセリフの中で、ランボーは「国のために戦う訳じゃない」と自問自答します。そして、自分の分身の様な傭兵達に「俺たちの仕事はここにしかない」と言い放ちます。これは、戦闘マシーンとして、故郷にも帰れず激戦を繰り広げてきた男の魂が開放されるお話なのです。ランボーというと、アメリカ的価値観の押し付け云々と語られがちですが、そろそろその論調は古臭いのでは?と思ってしまいます。

ニシリ