劇場公開日 2007年12月8日

やわらかい手のレビュー・感想・評価

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4.0静かなあたたかい愛

2023年9月16日
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幸せ

孫の手術費用を稼ぐために、苦肉の策でとびこんだ風俗店。
しかし、彼女の手は「ゴッド・ハンド」だったのだ~^^
主人公マギー(マリアンヌ・フェイスフル)は、元ミック・ジャガーのミューズ。その往年の輝きを随所に感じさせながらしかし、ひたすら地味な主婦を演じている。季節も晩秋~冬だろうか。
英国の冬は、寒々しくみえるし、家族とも友人たちともそして社会にも、ぴったりの居場所をみつけられないといった感のある彼女にはことのほか冷たく感じられる。
そんなマギーに心の灯をともすのは、雇い主のミキだ。
彼とほんの少しづつ、心が通い合う様子はとても心地よい。枯れ木のように無彩色だったマギーの頬に紅がさし、再び女性として生まれ変わっていく、そんな感じが伝わってくる。
そしてふたりの気持ちが通い合う夜。「あなたの笑顔が好きよ」とマギーが言い、
ミキは少し間をおいてためらいながら「君の歩く姿が好きだ」と言う。
なんだか、これだけで、こころがしんとあたたかくなる。二人ともに、人生の過酷さを味わってきた者同士だから・・
こういう静かな気持ちのふれあいは、若い人には、ちょっとわかんないかもなぁ。

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らいぴゅう

3.5長い道のりを経た女優の肖像

2020年5月20日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

35年振りに観るマリアンヌ・フェイスフルのおばさん演技に感動する。題材はキワモノだが、中味は立派な人間ドラマ、そしてラストは「男と女」も顔負けの恋愛映画。ゆっくりした流れの映画タッチとフェイスフル女史の足どりが合っている。日本の性風俗からヒントを得た商売が主人公を救う手段になる物語の根本は、「フルモンティ」から続く逆転人生応援のイギリス映画伝統のスタイル。真面目さとユーモアの両面が描ける表現者の大人度は高い。

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Gustav