ミストのレビュー・感想・評価
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バッドエンドが嫌いな人は絶対見ない方が良い。
想像していた遥か上の胸糞ラスト。
唯一の救いはおばさんを倒した事かな。
この映画のMVPはオリー。
エンドロールの環境音も妙に心を抉る。
ただせめて残弾4あるならもう少しやりようがあった気が
して、このラストを選択するならもっと八方塞がり感が
欲しかったと思う。あとカルトおばさんの観客ヘイト集約シーンがあまりにも長すぎた気がするので-0.5。
自分について来てくれた人を自分の手で殺めた数分後に
霧が晴れるのはあまりにも間が悪すぎたけど、この終わりに
したことでかなり重たいメッセージ性は感じられた。
化け物の変なB級感を含めてもかなり楽しめました。
ただ評価が割れるのはかなり納得。
何かと話題になる作品なのでそういう意味では一度はどうぞ
後味悪さとか大どんでん返しとかは聞いてたけど、ああこういうことかというところか。
子供がね、死んじゃうのはよくない。
キャストもダブるからウォーキングデッドと近い考察によりがち。
一番怖いのは人間ってやつ。
ああいう限られた空間に自分がいたらどうするのかなとは思う。
書くまでもないが他はアメリカを全面に感じる。
都会と田舎の違い、
軍が出てくること、
宗教色が強いこと(日本なら異常な状況で何にすがるのか?)、
怪物=タコやイカみたいな触手(アメリカへの偏見か?)。
メル・ギブソンの映画とごっちゃになってたので、最初はいつ彼がキャストとして出てくるのかなあ〜と待ってた。
あっちの映画みたいなエンディングだったらよかったのにね。
手に汗握るスリラー!からの胸糞エンド!
自宅PS4にて、amazon prime videoで鑑賞しました。
スーパーに買い物に出た主人公とその息子。買い物中、外は霧に覆われ、謎の生物に襲われ始める。パニックもののスリラーです。
スーパーに閉じ込められた人たちの様子がすごいリアルだなと感じました。外に何かがいる、と忠告する人々、それを信じない人々、宗教おばさん、など派閥が分かれ始めます。この映画を見る前は、巨大な化物ぐらいしか出てこないと思っていましたが、意外と色んな気持ち悪いクリーチャーが出てきてビックリしました。スーパーしか居場所がないのに、そのスーパーに巨大昆虫やら変な翼竜みたいのが入ってきたら、パニックですよね…
主人公の隣人の弁護士は、ちょっと好きになれなかったですね…あそこまで頑なに信じようとしないものでしょうか?笑 信じられないなら証拠を見に行けば良いのに、と思ってしまいます。ちょっと人間不信過ぎて、心の病気なんじゃないかと思うくらいでした。
また宗教おばさんも見ていて気持ちの良いものではなかったですね。周りをどんどん洗脳していって、しまいには生贄と称して人の命を奪ってしまう。正直銃で撃たれて殺されて、ちょっとスッキリしました笑。
そして衝撃だったのがラストですよね。車で霧の外まで逃げようとしますがガソリンが切れてしまいます。そこで主人公は、銃で息子を含めた周りの人を殺し、自分も死んで終わろうとしますが、弾が足りません。外に出て化物に殺されようとしたところで、スーパーの人々を乗せた軍が通り過ぎていく、という…なんとも後味の悪いラストでした😑
主人公達の選択は間違っていたわけではありませんでした。ただ、タイミングと運が悪かったと言うそれだけのことでしたが、もし自分が主人公だったら…と考えると、どうにもやりきれない気持ちになります😣
エイリアン?さんは
窓ガラス割れないんですね…
私は窓ガラス完全に破って来るものだと思ってたのでかなりガッカリしました。
しかもその後来ないし…気まぐれエイリアンですね。
密室空間での人間模様のくだりは嫌いじゃなかったので(腹は立ちましたけど)星0.5足しました。
個人的には主人公側ばかり責められて、選択した行動も全て裏目で間違ってるように見せられてしまってなんだか悲しくなりました。
しかも行動と決断を下した側ばかりが犠牲になるのでなんだかな、と。
誰彼構わず襲われていたら、気にならなかったかもしれません。
(そういう映画じゃないのはわかってます)
あとはエイリアン?さん達や霧についての言及がほとんどなくてモヤモヤしました。
結論:私には合いませんでした。
セサ“ミスト”リート 今日の単語は「贖罪」です
台風で大きな被害を受けた、湖畔の家に住むデヴィッドと息子は、隣家の弁護士ノートンとともにスーパーマーケットに出かける。
いつも通りのスーパーだったが、突然街にはサイレンが響き渡り霧が立ち込める。
「人が“何か”に攫われた」と血だらけで走り込んでくる男性。
霧は街全体を包み込み、次第に霧の向こうの“何か”が彼らに襲いかかる。
原作:スティーヴン・キング
監督脚本:フランク・ダラボン
言わずと知れた霧中怪物映画。
史上最強のバッドエンドと聞いていたので、少し期待しすぎたところはありましたが、とてもよく作られた作品でした。
世界の終末期、極限状態に置かれた人間たちはどういう状況に陥り、どういう行動を取るのか。
スーパーマーケット、ディストピア、未体験の出来事と決断の連続、本当の怪物は人間などなど、怪物映画のお決まりの展開を踏襲しつつも、あまりの救いの無さや宗教など真新しさもあって非常に面白い。
全体的に明るいシーンは皆無だが、主な胸糞シーンは3つ(贖罪・狂信・終止符)。
噂のラストも凄いが、それ以上に贖罪シーンがキツすぎた。
画面上からあいつら殴り殺したかったもの。
スーパーマーケットという狭い中に描かれるアメリカ社会。
怪物襲来という事件により均衡が崩れた瞬間、人は人でなくなる、いや元々の人間像なのか。
「なんで最初に出てった女性が最後生きてるの?」と疑問に思ってる人が多いけれど、あれは最大限の皮肉だよね。
最初に出ていれば助かったかもしれない、もう少し待てば助けが来た、恐らくスーパー居残り組も助かっただろう。
しかし、この後も怪物との戦いは続きそうだから助かったとしてもバッドエンドだ、と言っている人もいた。
正しい判断なんてわからない。
誰が悪いわけでもない。
結局、怪物襲来の原因も突き止められなかったわけだし、そもそも科学的根拠なり宗教的観念なり、何かしら理由を見つけて答えを出そうとすること自体が間違っているのかもしれない。
人間は救いが欲しくてなんでも理由や根拠を欲しがるけれど、型にはまらない、はめて解決してはいけないものもある。
正しさとは…
いや、、あの。。
あの~、どこが良かったかよろしければ教えてもらえませんか…
僕のセンスが悪いんですかね…
シャッターからでてきたタコ足の本体は?(このシーンで一気にB級へぶっ飛びました)そんなことはいいんですかね? 結構重要人物かなって思ってた弁護士は出て行ったきりほったらかし? 突然とってつけたようなラブシーン?(その後一番かわいいコ殺される…) ガラスを割ってまで入ってきた怪物の襲撃は一回きり?なんで? 超突然のアーミーの自殺? カルトおばさん殺した店員さん、おおっかっこいい!って思ったら次のシーンで食べられる(!) 脱出したあと、エンストする前に車乗り換えるとかガソリン奪うとかできませんかね、いやできるよね? なんで霧が晴れたの? あんなでかい怪物に軍はすんなり勝てたの? 最初のおばさんなんで助かってたの? そもそも異次元ってなんですか? 衝撃のラストってあのとってつけたようなエピソードのことですか、もしかして?
こんなにもつっこみどころ満載なのに…
なんで、、なんで誰もつっこまないんですかぁぁぁ~!!!
胸糞だけど面白い
ある町に深い霧がかかり、霧の中に入っていってしまった人はどうやら謎の怪物に殺されてしまうらしい…そんな状況でスーパーに逃げ込んだ人々の動向を描いたミステリー映画。
とまあ、あまり説明だけだと面白くなさそうですが、めちゃ面白いです。先入観を持って観てしまうので皆んな完全に騙されます。2回目を見てみると責任感が強く光属性な故に見えてこなかった主人公のやらかしが色々と見えてきて面白いです。
集団心理が本当のホラー
出てくる化け物はCG感強めで、そこまで怖くはありません。
本当に怖いのは、
極限状態に陥った時の集団心理(パニック)!
不安が宗教を生んで、その宗教が争いを生む
という世の中の縮図が
スーパーマーケットの中で見られた気がします。
後味悪い映画で有名ですが、
最後の銃のシーンは展開早かったような。(笑)
ここまで頑張ったのに
最後あっさり思い切ったなあ‥
と思っちゃいました。
あと、そもそも軍の計画がSF過ぎてよく分からない‥
異次元との窓を作る????
あの人の説明でみんな理解できてた?!
人間の脆さと希望を見せた霧
はじまりは便利な時代に生きる現在の良識も理性ある人間たち
霧とその奥にある恐怖を目の当たりにし
精神を保つために神にすがる
2、3日のスーパーの密室で
死の恐怖と隣り合わせにする事で
人間が集団として生活する
そのはじまりを見た気がした
人の命の尊さを学んできた人間に
生贄という馬鹿げた事を押し付けてくる
まるで霧の中にある村
信じるものが正しくなる
少数派は排除して暮らしやすくする
これを今の規律ある暮らしに持ってくるまで
人間たちは膨大な時間を費やしてきた
それを霧はあっという間に
人間がいかに脆くて危険な生き物か
分かりやすく示した
ラストかろうじて自分たちの正義、正気を頼りに
逃げ出した主人公たちもガス欠になり、なす術なく
恐怖を続けるか(絶望的な街を見て生き延びれるとは思えない)解放されるか選択を迫られ心中を図る
計り知れない恐怖の中で子供を自らの手で
殺めるのはとても悲しく、その時は最善であり愛だった
わずかに残る理性で子供を恐怖や苦しみから守りたい
という究極の愛の深さを描いていた
その後間も無く、助けが来るオチ
このオチが主人公の更なる絶望であり
作品としては希望的な部分
世界が終わったと思って絶望していた主人公たち
その後ろには多くの救助と生存者がいた
スーパーを1番先に出た母親は子供達を守りきっていた
自分たちは霧をさまよって絶望していただけで
世界はまだ動いていたし生きていた
追い詰められると視野が狭くなってしまう
あのスーパーにいた皆と同じように
例え正しくても、少数派であれば潰れる
潰される、殺される、自ら命を絶つ
助けは以外とすぐそこにあったかもしれないのに
容易く助けてもらった人も多かったと感じる皮肉なラスト
勝手に絶望して、そこから溢れた主人公たち
ストーリーとしてはあの父は全てに絶望しているだろうしおそらく自ら命を絶つ
霧の中の生物の正体は、タコだろうがクモだろうがエイリアンだろうがなんでもいい
出口の見えない霧もいつかは晴れる
それは突然やってくる、恐怖と生きてみろ
と言われている気がするそんな作品
確かにラスト15分は.....
CMにある通り、ラスト15分は観てられなくなる。
バッドエンドだってことはわかった。
やり切れなくなる。
ただもう少し説明がほしかった。霧の中のあの生き物は、一体どうやってできた?憶測はできるかもしれないが、はっきりした答えがでてなく、ムヤムヤしたまま終わってしまう。
そして、あの宣教師みたいな人、あれは早く死んでほしかった。
本当の扇動者は
この映画では、スーパー内での人々を扇動する者として、宗教信仰家のおばさんが居る。主人公達脱出を試みるグループにとっては最悪の存在であり、視聴者から見ても頭のおかしい人でイラッとさせられるのは間違いない。
だが、映画終盤では結果として多くの人を巻き添えにして死なせたのは、この宗教おばさんではなく、主人公であったことが判明する。一見すると、この2人は対照的で、主人公が正義に見えるが、本質は同じタイプの人間であったのだろう。
後味悪い
後味の悪さに関していえばベスト3(ワースト3かな?)に入る映画だったのだが、なぜかまた観た。初回では気づかなかった点がいつくか発見した。主人公は画家で、彼の仕事部屋の中に、ジョン・カーペンター監督の「遊星からの物体X」の絵(写真?)が掛けてあった。私はジョン・カーペンターとスティーヴン・キングをよく混同してしまう。今回も最初、自分が脚本書いた映画のポスター貼ってあると勘違いしてしまった。
あと、最後に主人公は死ねないのでもがいていたが、弾は4発しか残っていない事は知っていたはずなので、どういう方法で自殺するつもりだったのか。
銃声だけで、4人を殺すシーンがなかったのはせめてもの救い。もしそのシーンがあったらさらに後味の悪い映画になっていただろう。
結末を知っているので、今回は極限状態での恐怖に対する人間ドラマ、心理ドラマのような感覚で楽しむことができた。普段なら変人扱いをされていた狂信的キリスト教信者の女性(「ミスティック・リバー」でティム・ロビンスの妻役)に、このような状況下では、一度予言が当たってしまうと、簡単に彼女の言うことを信じてしまう恐ろしさを感じた。
コロナ禍のなか考えさせられる作品
この映画のレビューを書きたいので映画.comに登録しました.
「後味が悪い映画」として知っており,スティーブンキング好きとして気になりつつも,感情移入しがちな私はびびって敬遠してましたが,この度意を決して視聴しました.
結果として後味は評判通り最悪なのですが,霧による閉塞や霧の中の脅威によって引き起こされる人々の恐慌は,現在のコロナ禍における日本という社内の混乱を連想させ,考えさせられる内容でした.
そして結末はさておき,作品の中で描かれる家族愛は尊く,改めて自分の家族を大切にしようと思わされる内容です.
私のようにバッドエンドと聞いて敬遠している方がいらしたら是非心に余裕があるタイミングで見ていただきたい作品です.
霧の中に何かがいて出ていくと(入ってこられると)襲われて殺されるという表層的な恐怖の裏に、恐怖に襲われた人間が産み出す恐怖という二層構造の恐怖を描いたホラーの佳作。
①最後まで緊張が途切れない演出に感心。②演技陣の中では最重要人物であるミセス・カーモディにマーシャ・ゲイ・ハーゲンを配したのが成功。あの役は彼女のような存在感があり演技巧者でなければ映画に説得感が生まれない。懐かしやフランシス・スタンハーゲンが恐怖の中でも理性を失わない老女性教師として出演しているのも嬉しい。③あの霧がどうして発生したか、とか霧の中の怪物たちは何かというのは映画の後半で判明するが、それはあくまで背景であって閉鎖された空間で訳のわからない恐怖の中で極限状態におかれた人間の反応を描くのが主眼のように思われる。少なくとも私にはそちらの方が興味深い。④キリスト教国であり信仰深い人が多い田舎町だから霧に閉じ込められた人々はあんな風になっちゃったけれど、日本人が同じ状況に置かれたらどういう反応をするか考えてみるのも面白い。⑤救いのないラストに「もうちょっと待てば良かったのに」「あそこで無理して銃を取ったのが裏目に出て皮肉」と思うが、恐怖に囚われる或いは絶望に直面すると人間しっかりしているようでも判断力がなくなるということでしょうね。最初に子供の事が気になって皆の制止を振り切り霧の中に出ていった母親(誰も一緒に行ってくれないとわかると『地獄に堕ちろ』と呪いの言葉を吐いた)と子供たちが実は無事で、道端で泣きわめく主人公に冷たい視線を投げて通りすぎて行く皮肉。「神(か悪魔)」は本当に死ぬ者と生き残る者とを振り分けているのかもしれない。
SFホラーの最高傑作
同ジャンルの中では群を抜いて面白い。
他者のレビューを見ると、
「後味が悪くて面白くなかった」
「軍隊あーだこーだで設定に無理がある」
なぜそういう感想になるのか全くわからない。
SFホラー、スリラーに分類される映画だと、私は認識しているが何故そこに現実の軍事力が介入するのか。どういう環境で育ったらそんなつまらない感性を持ってしまうのかとても不思議だ。
本作はスーパーを舞台にし、日常に溶け込んでいる。
そこに、人を食べる得体の知れない怪物が襲い掛かってくるのだから、私は常に焦燥感を持っていた。
絶望を感じられる映画は数多く存在するが、奇跡の連続でバッドエンドを回避する映画が多いと感じている。野暮だが、もしも現実で似通ったことが起きたら絶対にバッドエンドを避けられない場面でもだ。
ラストシーンで、もしも銃弾が5発残っていれば。
もしも軍ではなく、怪物が襲ってきていれば最大のバッドエンドは避けられたはずだ。
集団自決をするのがあと2,3分遅かったらハッピーエンドにもできたはずだ。
ただ、監督はそれをしなかった。
銃弾を4発残すことを選択し、怪物ではなく軍隊を選択した。
その結果、SFホラーの中では珍しくメッセージ性の強い映画になっている。
物語の結末は自分の選択で決まる。
微妙 時間の無駄
アメリカ軍舐めすぎでしょ、どれだけ軍事力あると思ってんの?あの程度の化け物すぐ殺せるじゃん。いくら田舎とはいえ2日とか3日か?そこらへん覚えてないけど処分に時間かけすぎ。そもそも研究施設周辺ならもっと早く助けとか来るでしょ。あと終始圏外なのも意味分かんない。まあ異次元がこっちに来ちゃったんならしょうがないね。虫が襲ってきてるのに電気つけるのも意味わからんし。緊急時に人々がパニックになってる様子とかはすごく良かったんだけどやりすぎ。軍人の自殺も意味わかんない。軍人らしくしろよって思っちゃう。んで有名なラストシーンだけどなんか全部予想通りというかなんというか、、絶望は味わえるけど「だろうな」って感想しか出なかった。最初にスーパーから出てったおばさん最後にいたけどなんで生きてんの?結局運ゲーじゃんて感じ。異次元に窓開けて観察するだけとか言ってたけどもう少し強い兵器とか重火器とか戦闘機とか置いてあるところでやればよかったやん。そしたら化け物が出てきてもすぐ倒せたのに。原作小説とは少し違うみたいだけどこれが小説だったら面白かったかもなー。映画でこの内容を見ると微妙。、
私は好きじゃない。
鑑賞後にこの映画の評価が気になり新規登録してみました。
カルト化や人の醜くイカレポンチな部分はまあまあ楽しめましたがラストがとにかく好きじゃなかった。
スッキリしないモヤモヤばかりが残ってしまった気がします。
見なきゃ良かった…。
変態ドSホラー
変態ドSホラー。2時間余の長尺でじわじわといたぶるような残虐シーンにじっと耐えた挙句、あのラスト、後味の悪さは映画史上最悪と言ってもいいだろう。
巨大化した昆虫ものはクリーチャー映画の古典、軍の関与かと匂わせるから生物兵器の産物かと思ったら異次元の扉を開けたと言う茶番SF。バグスパニックだけなら単なるB級ホラーだが人間の本性剥き出しの方がもっと怖いと足し算したのでちょっとは意味深。
自身の不運を何かのせいにしたがる狂信的な振る舞いはかっての魔女狩りの再来だ、自己中の弁護士や役立たずの腰抜け軍人、多少ましなのはスーパーの副店長、よくもこれだけ残念な人達のステレオタイプを集めたものだと感心もする。
随分前に観ていたが酷さが風化、午後ロードでやっていたので性懲りもなくまた観てしまった、とほほ。
ヒーローなんていない
ずーっと「霧の中に潜む化け物」「ラストが賛否両論の有名作品」程度の知識しかないまま、いずれ見よう見ようと思ったまま見ずにいた作品。地上波でやっていたので鑑賞。
一見よくあるモンスターパニックもの。でも一味違う。分類は多分ホラー。むっっっっちゃくちゃ虫が大量に出てくるので、虫嫌いな人は要注意。ちょっと出るどころじゃありません。むしろ虫が主役。
あらすじ:
大きな嵐によって、家を破壊されてしまったデヴィッドは、妻に家の片づけを任せ、息子と、同じく嵐で車を失った隣人ノートンと共に町へ買い物に行くため車を出す。スーパーで買い物をしていると、錯乱状態の男がスーパーへ駆け込んできて「霧の中に化け物がいる」と言う。どんどん霧が濃くなっていく中、最初はみな半信半疑だったが、外に出た従業員が殺され、化け物の姿を見たことでデヴィッドはその存在を信じ、有能な弁護士であるノートンを頼ろうとする。以前から確執があったものの、お互い少しは歩み寄れた気がしていた2人だったが、ノートンはデヴィットの説得を撥ね付け、必死に止めるデヴィッドを振り切り店から出て行ってしまう。次々と人が減り、化け物の存在を皆が信じ始めるが…
いやはや、パニック映画あるあるだと思うんですが、登場人物の意味不明な動きが多くて気になります。ストーリー展開のためのつじつま合わせなのが透けて見えるというか。ナゼ今???ナゼそれを????と思うところが結構あって、序盤は割と白けてきました。非常事態ってそんなもんなのかなぁ。
そして、ほぼ全ての視聴者が「ウゼー!」と思ったであろう狂信者。まぁ良く言えば「敬虔な信者」なんでしょうが、多分ほとんどの日本人には「ただのうるせー馬鹿」にしか見えない。でも絶対間違ってるとも言えないし(化け物出てくる世界線だからね)。
で、段々それに洗脳されてく人々。何やこいつら…と思うと同時に、アメリカだったら現実にありそうだなーとか、日本でも似たようなことは起こるんだろうなーとか、色々考えてしまいました。日本人って割と宗教のこと馬鹿にしてる人多いですが、「科学的に~」と言われて(説明は理解できてないのに)すぐ信じる人は多いですよね。
2007年の作品ですが、14年前のアメリカで既に狂信者を揶揄しているんですね。で、未だアメリカ人の4割はこういう狂信者であると言われていて、政治家も実はほとんどが「神の仰せの通りに」という感じだとか。共和党と民主党しか名前聞かないなーと思ったらそういうこと…びっくりです。日本は宗教が平然と政治に介入してて、もっとびっくりですけど。
この狂信者、別に宗教の信者でなくても似たようなことは起こり得て、誰かが大きな声で意見を言ってリーダーになり、それについてく人達と反対する人達とができる、というのは日常でもちょくちょく起きてますね。男VS女・白人VS黒人・国民VS移民・民主党VS共和党…みたいな形で白熱して、そのうち本来の問題そっちのけで争い始めるという、客観的に見ると凄く間抜けな状況が本作でも起きています。
化け物相手にどう抗うかという話をすべき時に、主人公目線だと神ガー!がいちいち宗教絡めて行動を邪魔してくる。神ガー!目線では、神に従えば救われるのに、主人公達がわざと自分達を道連れに自滅しようとしている!となっていて、結局外部の敵への恐怖を内部でぶつけ合い、案の定殺し合いに発展します。
最初に出てった母親も、8歳の子ともっと小さい子を家に残したまますぐ戻ると言って出てきてしまったから帰りたい、誰かついてきてほしいと言い出し、状況がわからないから誰も名乗り出ないと「全員地獄に落ちろ!」。いや逆ギレすげーわww
アメリカは子供だけで留守番させるのは法律違反で、例え5、6分だろうと、ちょっと向かいのコンビニだろうと、捕まります。なので、子供に何かあったら完全に自分の責任(まぁ言うても数分のために子供をいちいち連れ出すのがツラい気持ちはわかるが…)。
後半で狂信者が「神への生贄に子供をよこせ」と主人公の息子を殺そうとしますが、視聴者は恐らくこの時「おいおいガキに手を出すようになったら人として終わりだろ」と考えるだろう…ことを見越して「序盤の母子のことは見捨てただろ!」と言いたいのかもしれませんが、序盤のママはね、一人で来たんだから一人で帰れとしか。状況わからん所に飛び込んでくのと、目の前で頭おかしい奴に殺されそうになってるのとじゃ全然違うんだって。
あのイカレ信者、序盤で既にこうなることが予測できてたんだから縛って倉庫にブチ込んどけば良かったのにと思いますが、これも主人公の判断ミス?
見ながらずーーーーーっと気になってたんですが、この主人公、何やっても裏目に出る。あらゆる選択肢、ぜーーーんぶ選択ミス。何で????
結局のところ、「現実にはヒーローなんてそうそういない」ってことなのかなと。
映画、特にアメリカの映画では、ヒーローものでなくても大抵主人公の男が非常時に突然リーダーシップ取り始めて、一般人の設定でも当然のように家族や仲間を護って、敵の正体を見破り、ライバルと和解し、敵を打ち倒してハッピーエンド。この流れです。
でもよくよく考えたら、こんなこと現実に起こるはずがないですよね。絶対とは言いませんが十中八九、善人も悪人も死ぬし、家族や友人も都合良く全員助かるなんてこともない。そこらの一般人が、大きな脅威に対していきなり勇気を振り絞ったって犬死にするだけです。
本作の主人公も、一見さもヒーロー然としていて、息子を守り、リーダーシップがあり、知恵を巡らせ、脅威に立ち向かう。キャラクター設定としてはアメリカ映画の「英雄パパ」そのものです。なのに、何故か悪い方へ向かっていく…ように見える。でも、これって「悪い方へ向かっている」のではなく、我々が「映画だから結局は上手くいくだろう」と勝手に思い込んでいるせいであって、ただのバイアスだよなーと。
定石通りのアメリカ映画を嘲笑うかのように、仲間を助けられず、信頼を得られず、家族を守れず、まったく役に立たない「一般人」のままの主人公で、自分は結構気に入りました。
賛否両論のラストも、そう考えればあれが妥当なんでしょう。というか、あのラストじゃなければここまで有名にならなかっただろうと思います。
原作者のスティーヴン・キングも、「自分が思いついていれば小説のラストもこうしたのに!」と言うほど気に入ったそう。小説で読んだ方がより面白そうな気がします。まず虫がね…
胸糞ENDと言われてますが、ただ1つ言わせてくれ。
あんな小さい子の頭なら、大人と頭くっつければ多分1発で2人いけたぞ。
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