「ちょっと腑に落ちない」ミスト satoichiさんの映画レビュー(感想・評価)
ちょっと腑に落ちない
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他の方も言われている通り、賛否両論別れる作品だと思うけれど、個人的には「否」と感じた。
衝撃的なラストと聞いていたから期待しすぎてしまったのかもしれないけれど、もう少しシャープなラストだったらなと感じた
”外の世界に救いがあったのに、それに気づかず仲間達を殺してしまったことへの後悔”がこのラストのミソだと思うけど、あのラストではその後悔に必要な要素が足りてない。
まず、確かに軍隊の隊列を見つけたことは一種の安心かもしれないけど、あの化け物達の脅威を考えたらへのつっぱりというか、”どっちにしろ殺されてた感”が強い。
あの程度だったら”あーー殺して無ければみんな助かったのにーーああーー”ってならない。
”何れにしても死んでた。仕方がない”だ
それと、仲間を殺すことへの動機も薄い
確かに車はもう動かないし、食料も無い、外は化け物だらけの絶望的な状態だったかもしれないけど、あの段階で即心中図らなければならないほど追い詰められていたとも感じない
もっと言ったら軍隊がどっかでああやって抵抗を続けていることくらい想像できたんじゃないの?と思ってしまう
ギリギリまで助けを待つという当たり前の選択肢が欠落しており腑に落ちない
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でも、店の中で巻き起こる群集心理の描写はとてもリアルで、”あぁ、ありそう、こんな人いそう”って頷きながら観ていた。
残念ながら、そこは原作者であるスティーブン・キングの力量であって、映画製作者の力量ではないのだろうけれど・・
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