「超無理なラスト15分」ミスト HILOさんの映画レビュー(感想・評価)
超無理なラスト15分
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大阪弁で言う「やらしい」映画。
一般的なハリウッドファン的には典型的なバッドエンドだが、 キングファン的にはこれもキング流ハッピーエンドになるかもしれない。
Googleで検索するとパンフレットでの解説は上手く皮肉っているらしい。
デビッドが取る行動は一見ヒーロー像として観客を魅了するが、 クライマックスの悲劇で全てが自業自得と化する。
最初にモンスターと対決したシーンで、 デビットがいつも正しいという錯覚を観客に与える。
そこからクライマックスの悲劇に繋がる、 無数の伏線となるエピソードが展開される。
子供の反対を押し切り薬局に入り数名の仲間を失うが、 不可抗力として観客も納得する。
スーパーの脱出劇ではアマンダの反対を押し切り銃を入手、 その後入手した銃で集団自殺そして軍によりスーパーに客は全員救出。
つまりあと1秒でもタイミングが遅ければ、 誰も死なずに済んだという凄い皮肉。
つまりデビッドの行動はハリウッドではセオリーされる行動で、 それをスティーブン・キングは皮肉めいて表現している。
単なるアンチテーゼではなく、 ハリウッドファンも納得するしかないプロットを全体に用意して、 クライマックスの悲劇で完全勝利を得る。
映画に勝ち負けもないが、 やはりスティーブン・キングは上手いと思うしかない。
普通なら『ソウ SAW』に代表されるソリッドホラーみたいな悪趣味な映画はパスだが、 スティーブン・キングには全ての観客を納得させる何かがある。
最後にブルース・ウィリス主演の『シックス・センス』が見たくなった(苦笑)。
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