劇場公開日 2008年5月10日

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「絶望下における人々」ミスト シュウヘイさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0絶望下における人々

2020年7月22日
iPhoneアプリから投稿

ラストが有名な作品。ようやく鑑賞。
姿を現さない敵と知恵を尽くして戦う、といったのを想像していたが、分かりやすいアクションが多く、モンスターパニック物としても十分見応えがあった。
クリーチャーは不気味で、襲い方にもバリエーションがあり、どれも絶対に遭遇したくない恐ろしさがあった。
宗教に狂った人物が出てくるが、人々が絶望的な状況のなか次々と扇動されて、勢力を増していく過程が興味深かった。アメリカ映画には度々こういったキリスト教原理主義者や福音派らしき人物が登場する。
突如霧に覆われるという得体の知れない閉鎖的な恐怖。絶望的な状況下で右往左往しながら、何人かのリーダー格となる人物が現れ、派閥が作れていく。追い詰められた人間の心理を覗くようで、非常に引き込まれた。登場人物が多いが、誰もキャラが立っており印象的だった。
主人公には賛否あるようだが私は好きだ。子供を守り妻の身を案じつつ、どうにか状況を打破しようとする正義漢の彼を、結果論だけで片付けてしまうのはあまりに悲しい。
結末は生涯忘れられないだろう。

shuhei