「怪物は窓硝子が割れない」ミスト Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
怪物は窓硝子が割れない
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総合55点 ( ストーリー:50点|キャスト:60点|演出:60点|ビジュアル:70点|音楽:75点 )
変な生き物の作り物感がすごくておもちゃにしか見えず、まるで80年代の映画みたいで恐怖感がない。図体ばかりでかいのに窓硝子1枚破れず人間たちに食料品店を安全地帯として残してしまっている未知の怪物たちには、迫力不足だからもっと鍛えて出直して来いと言いたい。これならば凶暴な熊が襲ってきたほうがまだ怖い。
軍人らしき者もいるのに登場人物でまともな指導力を発揮するものがいなくて、状況を分析しようとか人々をまとめようとする者もいなくて、登場人物の魅力が薄かった。あっさりと混乱して集団発狂するのも、現代ではなくまるで中世のようだった。
そんなわけで観ていて画像の品質の低さと人物の魅力のなさと怪物の迫力の無さにすっかり飽きていた。得にあの宗教おばちゃんには人を苛立たせる効果しかなく不快感しか残らない。
車で脱出してからようやく盛り上がった。どこまでも続く霧の中で不安に包まれる彼らに、大地を踏み鳴らして真上を通過する巨大な怪物が圧倒的な絶望感を与えてくる。哀しく神秘的な聖歌のような音楽が霧の中に響くのが雰囲気を作り出していた。最後の15分くらいだけは良かったのだが、それまでがつまらなくてもうその頃には観る気力が萎えていた。
これならば脱出してからの話にもっと時間をふったほうが良かったのではないか。結局怪物たちのことはそうたいした問題でも無くて、危機における人間の混乱と統制とか生きる努力が主題だったように思う。でもその割りに構成が良くない。
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