劇場公開日 2008年5月10日

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「リアルな人間の心情描写」ミスト ®️さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5リアルな人間の心情描写

2017年2月1日
iPhoneアプリから投稿

霧の中に潜む異次元からきた怪物
この世には異次元というものが存在していて地球はその異次元の世界に囲まれているという設定。近くの山の上で科学者たちが異次元の世界に窓を作りそこから観察する実験を行っていたが事故で向こうの世界がこっちにきた。人間の体内に卵を産み皮膚を破って孵化させる。壁に固定され卵を産み付けられた男性の腹が異常に膨れた時はプレデターや!プレデターや!と怪物の赤ちゃんが勢いよく飛び出してくるのを期待したが実際には皮膚が破けて赤ちゃんが体外にどろっと流れ出す感じで、イメージとは違ったがこれはこれでハマったシーンである。大中小様々な怪物がいるが終盤に出てきた最大級の怪物の壮大さには興奮した。

神を信じすぎた中年女性カーモディ
神の仕業だと喚く彼女の言葉を最初はみんな他人の戯言としか思っていないが、事の深刻さが分かるにつれ正常な判断力を失い何かに縋るしか自分を保てなくなり最終的に中年女性を信じカルト化する。
中年女性の視点 現実の状況に驚きはしつつも周囲の人に神の仕業だと扇動する。徐々に自分を信じる者が増えてきてあたかも自分が神の使いであると思い込み扇動に拍車がかかる。やがて生贄を捧げなければならないと言い始め、店内のマイノリティである主人公たちを標的にする。

地域の出身ではない切れ者弁護士
状況を把握できておらず冷静な判断ができなくなる。店の外へ出ると言い出すが弁護士である彼を信じ数人がついていくという暴挙に出る。

原因元の情報を何か知っている軍人
3人居合わせていたが、銃を持っておらず無線も持っておらず全く役に立たないトリオ。その内の2人は負傷した者のために店外の薬局へ薬を調達しに行くって時にも根性を見せず、挙句首を吊って自殺する。もう1人は扇動好きの中年女性に標的にされ生贄として怪物に殺される。

州の射撃大会で優勝した店員のオリー
地域の住民と交流的でフレンドリーなおじさん。状況を飲み込み的確な判断をする。唯一その場で持ち合わせていた拳銃一丁を見事に使い熟し怪物から人々を守る。優勝したと言っているだけあり無闇に撃ちまくるのではなく、逃げ惑う人々に当たらないよう狙いを定め一発で仕留める。また主人公の息子が瀕死の怪物に狙われるといった状況でも間一髪主人公が助けるまで焦らずにタイミングを見計らいまたも一撃で倒す。もはや主人公並みの活躍をしている彼がちょっとした運の無さで怪物に殺されてしまうのはどうもいたたまれない。

地元の先生で博識で勇敢な年配の女性
主人公の息子の面倒をみて、場を和ませようと地元の住民の紹介し始め自分はこんな状況で何をやっているんだと完璧なボケツッコミを見せてくれた温かみのあるおばあさん。
薬局へ薬を調達しに行く時も同行。途中で怪物に襲われ数人が殺される中、油性スプレーとチャッカマンで応用した簡易火炎放射器を
目の前に現れた怪物にぶっ放し見事倒してしまう。肝っ玉の据わった男勝りの勇敢な女性である。

主人公のデヴィッド
最終的に車で逃げ出すことに成功し家に戻るがやはり妻は殺されている。また霧の中でガソリンが無くなる。そして、同乗していた仲間4人を同数の弾しか残っていなかった銃で撃ち殺す。しかし、怪物に殺され待ちの主人公が晴れて行く霧の中で目にしたものは絶望そのものであった。

rk