「未来を信ずる心が運命の扉を開く!」マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋 流山の小地蔵さんの映画レビュー(感想・評価)
未来を信ずる心が運命の扉を開く!
こどもはみんな魔法つかい。
だって、「時」という魔法を持っているから。
この魔法の力で、何にでもなれる。
ピアニスト
お医者さん
俳優
魔法使いにも(^^ゞ
輝く未来に詰まっていたはずだった。
けれども大人にだんだんなると、
魔法の力も弱くなる。
あれほど夢見たことにも、
自信がなくなり、
できない理由ばかり考えている。
気がつけば、「現実」という世界の中で、
灰色の妥協を重ねる人生を送っている。
でも、あなたにもまだまだ
時という魔法は使い果たしていないはずだ。
心の中を見渡せば、
夢を開く才能という呪文を持ち合わせているはずだ。
奇跡を呼び起こす王道は、
常に誠に自分を信じる力から。
自らを信じ切ったとき、
「限界」を突破することができる。
誰もが、モリーのように
夢に破れて、信じられなくなっている。
そんな人生にふと疑問を抱いたら、
この映画で、
魔法の力を取り戻してください。
大人も子供も、男も女も、世界中のみんなが大好きな場所、おもちゃ屋。ごくフツーのおもちゃが並んでいるだけでも楽しいのに、マゴリアムおじさんのおもちゃ屋は、「開店して113年!」「世界でただひとつの」「私たちの想像を遥かに超えた」「誰も見たことのないおもちゃがいっぱいで」「一歩足を踏み入れたら、もう帰りたくない」「世界を幸せにしてくれる」マジカル・ワールドなのです!
そのおもちゃ屋の支配人を務めながら、いつか自分で作曲したピアノ曲を発表するという夢を抱いていたが、行き詰って自分の才能を信じられなくなったモリー。
少女の頃から天才ピアニストと騒がれたのに、たった1曲の作曲もできず、自信をなくしたモリーに、その役目は大きすぎたのでした。
ところがマゴリアムおじさんが、243歳をむかえて引退を決意。いきなり魔法のおもちゃ屋を継げなどといわれ、一気に弱気の虫が現れる。というのもマゴリアムおじさんの魔法があってこそ、おもちゃに愛が吹き込まれていたのです。当然おもちゃたちも、引退に反対し、モリーの頼りなさに、怒り出したのです。おもちゃたちの抗議行動で店内はてんやわんやの騒動に。
おもちゃ屋を一時閉店したまま、遂にマゴリアムおじさん引退の日が訪れます。笑顔で去っていくマゴリアムおじさんを見送り、途方に暮れるモリー。
それに呼応するように店のおもちゃたちも、輝きを失っていきます。あれほどきらびやかだった店内が、まるで廃墟のように灰色に変わってしまうのです。
この色彩の印象に残るドラマチックな変化が、一番の見せ場でした。
すっかりどうすることもできなくなって、マリーは店を売ろうと決意します。このときは、どうなるのか息苦しさを感じました。
ここで、これまで魔法を信じない会計士のヘンリーが、なんと魔法の力の存在をマリーに説き伏せて立ち直らせてしまうのです。
このあとおもちゃ屋がどう変化するのか、涙と共に味わっていただければと思います。
魔法という奇跡を信じるためには、まず自分を信じなければいけないことに気づいていくモリーの成長の物語でした。それを諭すように語るマゴリアムおじさんの語り口にも感激しました。
243歳という年齢の存在感を演じてしまうダスティンホフマンは物凄い!役者として天才ですね。
監督は、「主人公は僕だった」(06年、米)の脚本を担当したザック・ヘルム。彼が書き下ろした本作は、かつて玩具店の店員をしていたころ夢想した設定を膨らませたそうです。脚本家出身の監督だけに、シンプルなストーリーラインを大切に、アメコミ風のドタバタを一切入れていないところがいいと思います。低学年の子供向け映画なのに、後半はしんみりと人生を考えてしまう、大人の鑑賞に耐える内容になっていました。
ハートフルで夢のあるお話しは、複線が張り巡らしている複雑なストーリーよりも、単純でわかりやすい本作のような物語の方が、強い感動を生むものではないでしょうか。
CG表現に頼りきらず、魔法のおもちゃ屋の不思議さを可能な限り小道具と仕掛けだけで表現した美術スタッフも「いい仕事」しています。
100時間にも満たない間に、たくさんの事がてんこ盛り。映像も鮮やかで、退屈させません。まさにおもちゃ箱です。お子様向けの内容の薄い作品だろうと、期待しないで見に行ったのですが、予想外に良かったです。
ところで、いつも人恋しそうに手を差し出す寂しそうなぬいぐるみくんが気になりました。まるで生きてて語りかけるようなんです。彼はラストでいい仕草を顕すので、要注目です。よかったねぇという気持ちにさせます。