「可愛いナタリーを。」マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋 いきいきさんの映画レビュー(感想・評価)
可愛いナタリーを。
終盤の強引とも言える展開に小さなお子様だと意味不明だろうし、
大人じゃなくても理解できる年齢になると、
多くの人が物足りなさを感じてしまうであろうと、思ってしまいました。
まさにおもちゃ箱をひっくり返したような店内の様子は、
活き活きとしたおもちゃたちと、子供たちの様子は素晴らしく、
手が込んでいると思いますし、
マゴリアム(ダスティン・ホフマン)が店から去ると決めた後の、
店やおもちゃたちの氾濫も面白く、
その後の灰色と化した店内の様子はこちらも寂しさを感じます。
しかし、誠実さは感じますが、ストーリー運びは平坦で、
終盤の展開はかなりの強引さをもって締めくくってしまう。
ヘンリー(ジェイソン・ベイトマン)がエリック(ザック・ミルズ)と
触れ合って子供心を取り戻し友達になるのはいいとしても、
しかし、終盤の展開にその事を大きく生かしてるようでも、
ヘンリーが少しはモリー(ナタリー・ポートマン)の
助けになるならまだしも、強引だよな。
モリーが壁を乗り越える姿のもっと丁寧な描写が欲しかったかな。
拾うであろうと思っていた伏線はほったらかし、
拾った伏線はそんなものかと、
そして、あっちもこっちも一辺にやっちゃうもんだから、
どこか変で合っていないようなモリーの指揮振りもあって、
えっと、あっちも克服したんだよね、よかったね、という感じで、
映像だけだったか、映像遊びがしたかったのかと思ってしまい、
メッセージが非常に弱く響いた。
ダスティン・ホフマンは楽しく演じてそうで、
子役のザック・ミルズの大人な演技も巧さを感じさせるし、
生真面目な役のジェイソン・ベイトマンとのコンビも悪くはない。
ナタリー・ポートマンも魅力を存分に振舞っている。そこなんだけどね。
評価が低いということはなんとなく知っていたので、
落胆はなく、可愛いナタリー・ポートマンが観れたので、十分です。