大いなる陰謀のレビュー・感想・評価
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トム君が出てるけど…、軽い映画じゃないよ!
ロバート・レッドフォード、メリル・ストリープ、トム・クルーズが共演!おまけにレッドフォード自身が、7年振りにメガホンを握った本作。この豪華なキャスティングにも関わらず、アメリカでは大コケし、日本では公開時期が延びて(ホントなら新春第2弾の予定だった)しまいました。果たして、何がいけなかったのでしょう? 『これは、民主党のプロパガンダ映画か?』見終わった後、吾輩は思わずツッこんでしまいました。大統領選挙(予備選ですが)真っ只中のタイミングで、こんなん見せられた日にゃあ~誰でもこう思うんじゃないでしょうか?まあ、レッドフォードの“民主党びいき(ウラを反せば“共和党嫌い”)”は有名ですからね。 3人共演と、冒頭に書きましたが実際に同じシーンで揃って出てくるのは、メリル・ストリープとトム・クルーズだけでして、レッドフォードは2人とはまったく絡んでおりません!映画自体が、ワシントンとアフガニスタン、そしてカリフォルニアの3ヶ所のシーンで構成されておりますから、これは当然と言えば当然なのですが、そのあたりを期待して観に行かれますと肩透かしを喰らいますのでご注意下さい。ただ、メリル・ストリープとトム・クルーズによって繰り広げられる、丁々発止のやりとりは、『見事!』の一言です。この密室での“ディベート(オフィスでの単独取材)・シーン”だけでも、この映画を観る価値は充分にあると思います。メリルは本当に貫禄タップリですし、片やトム君のま~あ、ワルいこと!いや“悪人”という意味ではなく、『自らの野望の為なら、手段は選ばず』ってのが滲み出てて、コレはコレで“怪演”だったと思います(薄っぺらい役なんですけどね!(^^;)。 で、何でコケちゃったんでしょう?やっぱり少々難しすぎるのでしょうか??この映画、最終的に『だから、どうなの?』というところを、最後までキチンと描いていません。それは『観客が自問し、熟考し、感じることを、主義の押し付けではなく強く迫るヒューマン・ドラマ。あなたならどうする?どう感じる?とね』とレッドフォードがコメントしていることからも、その狙い通りに作られたのだと思います。そういう意味では、この映画自体は失敗しているわけではないのですが、『そこまで極端な問題の投げ掛け(“無関心でいることの愚かさ”“何かのために立ち上がることの大切さ”)を映画館でされてもな~』ってのが、正直なところではないでしょうか?少なくとも吾輩的にはそうです。このキャスティングと邦題から、もっとスカッとした映画を想像していただけに、その辺は少々しんどかったです。 でも言い換えれば、この映画は軽いエンタテインメントではなく、人間ドラマとしては出色の出来だと思います。そうなってくるとこれは“トム・クルーズが出てる映画”というイメージ戦略の失敗なんですかね~(^^;。
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