劇場公開日 2008年4月18日

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「テロとの戦いとは何か? 考えさせられます。」大いなる陰謀 勝手な評論家さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0テロとの戦いとは何か? 考えさせられます。

2008年4月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

9.11以降、アメリカの映画と言えば”テロとの戦い”がテーマになっていますが、これもその一つ。しかも、最近のアメリカの風潮を反映して、「テロ戦争とは何か?」と言うテロとの戦いへの疑問を明示する内容となっています。

「事件は会議室で起きているんじゃない! 現場で起きているんだ!」と言ったのは、『踊る大捜査線』での青島俊作ですが、会議室で戦争を指揮しようとしているのが、トム・クルーズ演じるアーヴィング上院議員。劇中、「ウェストポイントを主席で卒業した」と言うセリフがあることから、一応の軍勤務経験はあるようですが、同じように「歩兵の経験は?」と聞かれているのでは、会議室での戦争しか経験が無いようです。かなり若い上院議員という設定ですが、そのくらいの歳の上院議員は、本当普通にいるわけですから、アメリカの若さがうらやましいです。

メリル・ストリープ演じるロスは、TV局のベテラン記者。アーヴィング上院議員に呼ばれて、今回の作戦の背景などを個別に説明され、「マスコミも、開戦には喝采した。終戦にも協力すべきだ。」と言う趣旨の事を言われるわけですが、そもそも、自分に個別に説明した胡散臭さを感じ、ある意味”戦争の片棒を担ぐ”ことに疑問を感じ、報道を躊躇します。

ロバート・レッドフォード演じるマレー教授は、直接この二人との絡みは無いのですが、アーヴィング上院議員が企画した作戦に従事する兵士の恩師であると言う設定です。そして、勉学からドロップアウトしそうな優秀な学生との対話を通じ、戦争とは何かということを浮き彫りにしていきます。

基本は、この3人の登場人物で物語りは進みます。この他、アーヴィング上院議員の企画した作戦に従事している兵士(マレー教授の教え子)も、重要な脇役ではあります。

考えさせられる内容です。映画の最後も、何か解決すると言う終わり方ではなく、むしろ、何かを考えさせられる終わり方です。いやぁ、考えさせられました。

勝手な評論家