「アナタは神を信じま~すか~?」ラストデイズ kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
アナタは神を信じま~すか~?
人気絶頂のバンド、ニルヴァーナのカート・コバーンが突如自ら命を絶ったことをヒントに作った映画らしい。正直言って、ニルヴァーナはよく知らない・・・観客がいつもより多く若い人が中心だったことからも、よほど人気があったに違いない。と感じたくらいです。よって、以下は何も知らないで観た普通のおっさんの戯言と受け取ってください。
ミュージシャンの死に様というのはショッキングなものが多い。特にロックやジャズの世界では、ヤク中になってボロボロになり若死にするパターンばかりだ。この映画でも麻薬のリハビリ施設を抜け出したという設定なので、そう珍しい死に様ではないような気がします。そんな有り触れた内容よりも、感電死したとか、殺虫剤で死んだとか、ロシアンルーレットで死んだとかいった伝説的ミュージシャンを扱ったほうが興味深いのに・・・
この映画の主人公ブレイクは麻薬は断ち切れたようにも思えたのですが、躁鬱状態は深刻でした。彼の心までは推し量れるものではなかったけれど、別荘に住みついた彼の取り巻き達は全くの放置状態であり、「クローゼットに銃がある」とメモまで残す酷さ。孤独感から徘徊を繰り返し、突如ドラムを叩き出したりする症状の彼に対しても普段通りの接し方。「悲痛な叫び」も「普通の叫び」と捉えてしまったのかもしれません。
しかし、そうした心情に訴える映画であっても、前半の電話帳セールスマンやモルモン教の勧誘などの描写によってゆるいギャグとしか思えない演出があり、メッセージ性も薄れてしまったのではないでしょうか。さすがはガス・ヴァン・サント監督。全てを丸投げ状態です。せめてもう少し音楽映画風にしてくれれば・・・
【2006年7月映画館にて】