僕のニューヨークライフのレビュー・感想・評価
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アニーホールの焼き直し
アニーホールの焼き直しのような趣のラブコメディ。アニー・ホールのアンチテーゼ的なところもある。例えばこの映画は脱NY・LA指向ってのが趣かな。んでキャラクターが若干極端化してる。優柔不断の主人公の対比として登場するドゥーベル(ウディ・アレン)なんかジョークはW・アレンらしかったけど、性格は攻撃的で「らしくない方向」に振り切れてた。ヒロインのアマンダも奇矯な女性で(アニー・ホールと比較するまでもなく)ちょっと嫌なキャラクターだったが、クリスティーナ・リッチが演じていたので救われたところがある。でもこの映画のクリスティーナはあまり魅力的ではなかったな。
ちなみに「タランティーノの好きな21世紀のベスト20映画(だったかな?)」にランクインしています。そんなもんかな。
観たかった度:無(この作品のことは知らなかった) 鑑賞後の満足度△ 『アニー・ホール』を孫世代でリメイクしたいと思ったような趣だが映画としては到底及ばず。
①前作『さよなら、さよならハリウッド』よりはましには思えるが、演出に最盛期の冴えが無くなってきているのは確か。
②主役を若い世代にバトンタッチし、今まで演じてきた主人公が年を取ってアドバイスをする側に回った風の作劇だが、だからといって面白いわけではない。
③ダニー・ヴィートとストッカード・チャニングとが、どんなコメディアン/コメディアンヌぶりを見せてくれるのかだけが楽しみだったが、残念ながらなんと言うこともなかった。
マンハッタン
ジェイソン・ビッグスにウディ・アレンが乗り移ったような・・・背後霊の仕業か?と思うほど、喋り方がそっくり。
そっくりなのは吃音のような口調以外に、観客に主人公ジェリー(ビッグス)が語りかけるという手法をとったせいもあった。そして、物語はコメディ作家の先輩であるウディ・アレンが新進気鋭のコメディ作家ジェリーと仲良くなって、散歩しながらコメディの真髄を教えるような内容なので彼の口調が伝染してしまうのもしょうがないのです。
ウディ・アレン作品は10本程度しか観てないので偉そうなことは何にも言えませんが、そろそろ彼が自分自身を研究して、それを次世代の若者に投影しているような気がしました。ジェイソン・ビッグスがそのまま彼の路線を継ぐとは思えませんが、その素質は充分あったのかもしれません。
ストーリーは同棲しているアマンダ(クリスティナ・リッチ)に振りまわされて、セラピーにも通うジェリーがエージェントであるダニー・デヴィートとの関係も考え始めるといった内容。変化に富んだものでもなく、目的意識も希薄な内容なので、コケティッシュなクリスティナ・リッチの浮気や嘘が暴露されていって、徐々にイメージが悪くなるだけでした。相変わらずナチス批判や下ネタ(bathroom joke)で押しまくるのですが、それほど笑えません。
最終的にはロサンジェルスで今までの生活をリセットしたいと決意するジェリー。ひょっとするとウディ・アレンはニューヨークに限界を感じ始めたのかな?『さよなら、さよならハリウッド』でもフランスへ行こうとしていたし・・・
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