決断の3時10分のレビュー・感想・評価
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駅馬車襲撃
ベン・ウェイド(フォード)はダンの一家から馬を奪い、ビズビーの町に放つ。酒場にて保安官にニセの情報を与え、保安官と助手たちが駅馬車が襲われた現場へと向かい、そこで初めてダン(ヘフリン)から正しい情報を得たのだ。酒場で女にうつつを抜かしていたためベンはあっさり逮捕された。護送するユマ行3時10分の列車に乗せるためには時間がある。手下に襲撃されないよう、駅馬車で護送すると見せかけ、一晩ダンの家に身をひそめることとなった。金のため護送役には駅馬車の持ち主バターフィールドが一人200ドルの金を用意し、ダン、そして酔いどれのアレックスが選ばれた。
次の日、コンテンションという駅のある町へ送る。3時10分の列車にはまだ3時間ほど時間があるため、ホテルの一室を借りた。そこで口の達者なベンがダンに金で逃がしてくれと頼んだり、心理攻撃を仕掛けてくる。干ばつのため牛を飼うにも金が要るダンの心が揺れるが、かつてはガンマンだったこともあって、最後まで請け負った仕事をやり遂げようとするのだ。
誰かが捕まったら各駅の近くに仲間を一人ずつ配置し、連絡を取り合う手筈になっていたため、ベンの仲間は簡単にやってくる。ちょっとした銃撃戦もあったが、バターフィールドが臨時に集めた銃に覚えのある者たちも去ってゆく。そして酔いどれアレックス(ヘンリー・ジョーンズ)は殺される。いよいよ列車が到着するという頃、ダンの妻アリスがやってきて、彼の決心は固まった。ベンを盾にして銃撃を躱し、列車へと向かう。最後にはベン自らが貨車に飛び乗り、ダンとアリスに受けた恩に報いるのだった。「ユマの刑務所は脱獄したこともあるぜ」なんて、粋な言葉でエンディングだ。
本気で脱出する気概が見えず緩い
総合:40点
ストーリー: 30
キャスト: 45
演出: 45
ビジュアル: 55
音楽: 65
犯人は悪人なのになんとなく騎士道精神があるというか男気があるというか、礼儀正しい部分もありそんなに悪い奴ではない。主人公の家でもおとなしくしているし、見張りがいないときでも子供や奥さんの前でも特に暴れるわけでもない。
だがどうもそういうのは不自然に見える部分もある。いつでも隙を見て抵抗出来ただろうけどそんなことしないし、主人公に言われるがままにおとなしく従ってどこにでも行くのは何故だろうと疑問だらけ。そこらかしこになんとなく緩さを感じて、見ていて真剣さが足りない。自分を助けにきた部下が死に自分が刑務所に入ることになってさえも気にしない。
話としては男たちの義や勇気を描きたかったのかもしれないが、本気で脱出をしようという気概が犯人から伝わってこなかった。道徳的な古い映画だけにそのあたりは仕方ないのかもしれないが、そのために緊迫感と現実感がなく綺麗ごとで終わっていた。日本でいうならばお年寄り向けの昔の時代劇といったところ。
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