「まるで額縁舞台のような映像美。」美しき諍い女 megu&m&bさんの映画レビュー(感想・評価)
まるで額縁舞台のような映像美。
冒頭のオープンカフェは、周りを木々に囲まれ、その隙間から無数に差し込む陽光が印象派絵画そのもので、額縁舞台の映像美である。芸術の街らしく、光と影のコントラストは風景画のような情景を見せてくれた。
裸婦役のE・ベアールもまた、印象派の画家達が好んだ丸みを帯びた柔らかい肢体で、艶かしい裸体を見せてくれた。
写真の技術により、絵画が記録としての役割を持たなくなった時代、画家達は内面にある感情を表現するようになった。それが印象派以降であるが、この映画の中でも“美しき諍い女”というモチーフで、モデルに様々なポーズをさせることによって諍い女=激しい女の内面を捉え、形象化しようと試みたのではないか・・・と思われた。
コメントする