九月になればのレビュー・感想・評価
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イタリア人は陽気だが信用できない
ビデオマーケットで鑑賞
9月にちなんで
1961年制作公開作品
監督は『アラバマ物語』『ハイウェイ』『おもいでの夏(1971)』のロバート・マリガン
脚本は『ペティコート作戦』『夜を楽しく』『ミンクの手ざわり』『またまたおかしな大追跡』『ペテン師とサギ師 だまされてリビエラ』のスタンリー・シャピロと
『ペティコート作戦』『夜は楽しく』『ピンクの豹』『またまたおかしな大追跡』のモーリス・リッチリン
別荘の持ち主が2ヶ月早く突然やって来て別荘関係者が慌てるコメディー
別荘は6年前から持ち主不在時期はホテル経営
ホテルの名前はラ・ドルチェ・ヴィスタ
粗筋
アメリカの青年実業家タルボットは毎年9月になるとイタリアの別荘で過ごすことにしている
しかし今年に限って7月に別荘にやってくる
タルボットが愛するイタリア在住のリーザは別の男にプロポーズされそれを受け入れ結婚の準備をしていた
タルボットが2ヶ月早く訪れることなりリーザも大慌て
別荘を管理していたクラベルは別荘をホテルとして部外者に部屋を貸して私腹を肥やしていた
タルボットにバレてはクビになるので彼もやはり慌てる
ハリウッド映画だが舞台はイタリア
イタリア語に字幕無し
フラストレーションはたまる
井浦新主演『東京カウボーイ』的な考えがあるんだろうが自分としてはそれは全く好みではない
手抜きじゃないんだろうけど手抜きとしか思えない
そう言えば『フォードVSフェラーリ』もイタリア語に字幕がなかった
あまり気分がいいものではない
クラベルが運転する自動車の後部座席にタルボットとリーザに座ってやり取りするシーンもコメディーとしてそれを活かしている
終盤に度々クラベルの通訳絡みでやっとイタリア語に字幕がついた
あった方がやっぱり良い
タルボットが10ヶ月ぶりに別荘に行く途中での黄色いジープとのやりとり好き
あの独特のクラクション心憎い
アリソンがシャンパンのコルク栓を踏んで転倒し大怪我して入院するシーン好き
バナナの皮でも派手に転倒しそう
Wikipediaではリサになっているが彼女はイタリア人なのでLISAはリサでなくリーザだ
リーザを追いかけるタルボットが鵞鳥が入った大量の籠を載せたトラックを600ドル出して借りた一連のシーン好き
籠が崩れ落ち鵞鳥がタルボットの太腿の上に乗り卵を生む場面が特に好き
ウェディング姿で駅のホームに行く場違いぶり笑える
他人の赤ちゃんまで借りて
似た者夫婦になるよ
配役
ニューヨークの大富豪のロバート・L・タルボットにロック・ハドソン
ロバートのイタリアの友達のリーザにジーナ・ロロブリジーダ
ロバートの別荘管理人のモーリス・クラベルにウォルター・スレザック
クラベルの計らいでロバートの別荘をホテルとして使っているアメリカ人女子学生のサンディにサンドラ・ディー
ロバートの別荘をホテルと間違い泊まろうとしたアメリカ人のボビー・ダーリン
女子学生たちの付き添いのアリソンにブレンダ・デ・バンジー
ある種、映画の醍醐味かも
当時、アメリカの代表的二枚目俳優のロック・ハドソンとエキゾティックで官能的な美女を輩出するイタリア女優の先駆けともなったジーナ・ロロブリジーダ共演、舞台はイタリアのリゾート地 リヴィエラの豪華別荘ですからそれだけで観客は興味津々だったと思われます。良くある美男美女が終始いちゃいちゃするだけのプロットなら白けますが観光旅行中の若者たちと絡めて男女の恋愛観の表裏を甘辛に調理して見せてくれます。
持ち物や小道具で人柄を表すのも演出の一つですが名車の多いイタリアにわざわざロールス・ロイスやJEEPを持ち込むこともないと思いますが説明省略の一手なのでしょう、ヴェスパに乗って走るところは名作「ローマの休日」に刺激された当時の若者の願望、お約束だったのでしょう。
富豪の青年実業家ロバートは男女関係についても「他人に厳しく自分に甘い」成功者の典型、そんな彼の自分への想いが遊びなのか愛情なのか計り兼ねて揺れる女心を面白おかしく描いています。本作が当たったせいかご両人はこの後も「お熱い出来事(1965)」でも夫婦役を演じています。映画の中で恋に落ちたトニー(ボビー・ダーリン)とサンディー(サンドラ・ディー)は共演がきっかけで数週間後に実際に結婚したそうですから二人にとってはキューピッドになった映画でもありますね。まあ生活感のない映画ですから暫し現実から離れて裕福な気分に浸れるのも映画の醍醐味かも知れません。
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