フランケンシュタインの幽霊
劇場公開日:1949年10月
解説
「フランケンシュタイン復活」に次ぐフランケンシュタイン・シリーズの第4作で1942年作品。原作は「オペラの怪人(1943)」のエリック・テイラーの書きおろしで、「極楽闘牛士」のW・スコット・ダーリングが脚色し、「凸凹探偵の巻」「凸凹宝島騒動」のアール・C・ケントンが監督し、「暗い鏡」のミルトン・クラスナーと「クリスマスの休暇」のウディ・ブレデルが共同撮影したもので、音楽はハンス・J・サルターが作編曲した。出演俳優は「謎の下宿人」「王国の鍵」のセドリック・ハードウィック、「大平原」のロン・チャニー、「フランケンシュタイン復活」のイヴリン・アンカース及びベラ・ルゴシ、ラルフ・ベラミー、ライオネル・アトウィル及び子役のジャネット・アン・ガロウ等である。
1942年製作/アメリカ
原題または英題:The Ghost of Frankenstein
劇場公開日:1949年10月
ストーリー
フランケンシュタインの怪物が、硫黄坑に陥ってから何10年か経った。悪運の強いイゴールも重傷がなおり、硫黄坑の入口で角笛を吹いて彼の友たる怪物を蘇生させようとしている。村人たちはそれを忌み、フランケンシュタイン城を爆破した。ところがそのために硫黄坑が破壊されて、怪物はイゴーに救い出された。フランケンシュタインの当主は先代の弟に当たるが、精神病医として一家をなし、特に脳外科の手術上の手腕に秀でている。かつては彼の師であったボーアー博士も、今は若いケタリング博士と共に彼の助手となっており、フランケンシュタインが最近成功した脳の移植手術は驚嘆すべきものであった。イゴールは怪物が元気を回復していないので、電流を通じてもらおうとフランケンシュタインを訪ねて来る。ところが町に入ったとき、怪物はクロスチンという少女のマリが、屋根にひっかかっているのを取ってやったが、町民は少女に危害を加えるのだと誤解する。そしてクロスチンをその父に渡せば捕えもせぬと約束しながら、少女を父が受け取ると同時に捕縛した。イゴールはフランケンシュタイン邸に来て、怪物を助けてくれと頼む。彼と入れ違いに検事のエリックが訪ねて乱暴な巨人を捕えてあるが精神を鑑定してくれと頼みに来る。エリックはフランケンシュタインの娘エルサの愛人で、近く結婚する予定である。裁判所に行って見ると、怪物は機嫌を損じて鉄の鎖を千切って、イゴールと共に逃げてしまう。逃げ込んだのはフランケンシュタイン邸である。放てば危害を加えるので、地下の狂暴患者病室に入れられる。というのはケタリング博士か、怪物の一撃で即死したからである。フランケンシュタインは怪物の脳をケタリング博士の脳と入れ替えれば、怪物も理性ある賢者となろうと考え、手術をすることとなる。ところがイゴールは怪物の肉身は不滅なので自分の脳を怪物の頭に入れれば、イゴールの精神が不滅になると思い、ボーマー博士に頼みケタリングの脳を自分の脳とスリ替えてもらう。ボーマーはフランケンシュタインを嫉妬しているので、イゴールの脳を持つ怪物によって、自分の栄養を計ろうという気になったのである。手術は成功し、怪物は1週間ほどで元気になった。エリックが町民の要求で、怪物引き渡しを乞いに来た時、フランケンシュタインは、エリックやボーマーと共に、怪物に話しかけて見ると、イゴールの声で怪物は脳スリ替えの真相を話し、フランケンシュタインをなぐった。ところが怪物は視力を失った。フランケンシュタインは言った、怪物はケタリングとは同型血液だが、イゴールの血液は異型なので、その障害で失明したのだ。ボーマーが呆然としていると、怪物は貴様のおかげで盲目になったんだと、ボーマーを高圧電流の変圧器に投げつけた。かくてフランケンシュタインもボーマーもイゴールも死んだ、エリックはエルサを助けて逃れた。高圧電気と劇薬などの破壊で、フランケンシュタイン邸は爆破炎上した。怪物は灰塵中に埋没した。
スタッフ・キャスト
- 監督
- アール・C・ケントン
- 脚色
- W・スコット・ダーリング
- 原作
- エリック・テイラー
- 製作
- ジョージ・ワグナー
- 撮影
- ミルトン・クラスナー
- ウディ・ブレデル
- 作曲
- ハンス・J・サルター