ルパンのレビュー・感想・評価
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吹替がすごい
原作小説「アルセーヌ・ルパン」生誕100周年記念作品。
映画本編の話とは違うのですが、この作品吹替版のキャスティングがすごい。
小林清志(次元)、増山江威子(不二子)、島本須美(クラリス※劇中でもクラリス役)、
それとこれは関係ないでしょうが、ルパン役の宮本充は特撮の「ルパンレンジャーVSパトレンジャー」の適役に出演経験があります。
作品は怪盗アルセーヌ・ルパンの誕生、そしてその半生を描いたもの。
中々ドラマティックで見やすい構成で、端々に力の入れようがわかります。
その大怪盗としての華々しい活躍も中々のものでした。
ただ、あまりにも駆け足なのは否めず、所々に荒さも見られました。
カメラに所々安っぽい演出、なんと言うかTVの再現Vみたいなテイストが気になるんですね。
あまり広げ過ぎずに、もう少しコンパクトに作ってくれた方が見やすかったかもしれません。
でも日本人的にこの吹替作品はある意味貴重。
それとやはり、エヴァ・グリーンの美しさが際立ってました。
あ、『ルーブルの怪人』の監督だったのか
日本ではモンキー・パンチによる「ルパン三世」の方が圧倒的に知名度が高い。フランス人は当然のことながら、「ルパン三世」を知らない。そして、主人公であるアルセーヌ・ルパン(ロマン・デュリス)の揉み上げを見ると、どうしてもルパン三世を思い出してしまうのです。美女に弱く、華麗な盗みのテクニックを持つがちょっとおっちょこちょいだったり、殺人は犯さない、金持ちから盗む主義。やはりルパンはヒーローなのです。
『カリオストロの城』でオマージュされている原作のカリオストロ伯爵夫人やクラリスも登場するので、宮崎アニメファンも楽しめるかもしれない。もちろん次元大介や峰不二子も登場する(うそです)。父親殺人の謎や、マリー・アントワネットの首飾り、そして財宝の在処を示す十字架の謎、クラリスとの恋愛。原作3作分を1本の映画にまとめあげ、かなりエンターテイメント性を追及しているのである・・・が、エピソードの詰め込み過ぎのため、「あれはどうなったの?」と感じるくらいに繋ぎが甘く、ストーリーも飛び飛びになってしまった。813の謎を解いた段階でラストを迎えるのが丁度よいのでしょう。
公式サイトではルパンを評して「ダンディなアナーキスト」と書いてあるが、するとカリオストロ夫人は「クレイジーなテロリスト」といったところなのかなぁ。父親はさしずめ、「ダーティなサディスト」で、クラリスは「キュートなメランコリスト」。そうなると、kossyは「アバウトなレビュアー」なのかもしれない。
【2005年9月映画館にて】
制作意図が理解できず
クリスティンのカリオストロ伯爵夫人の悪女振りが強烈で、大作ながら彼女一人の存在感で終わってしまった。脚本の不出来と演出の不味さが失敗の最大要因。無意味なほど冷徹な殺害場面が映画の面白さを削ぎ、後半がさらに詰まらない展開。折角のフランスらしい怪盗物の代表作なのだから、大衆向けの娯楽作で良いものを、何故暗く重い映画にしたのか解らない。ユーモアもなく、シニカルでもなく、このサロメ監督の個性が感じられない。ラストシーンも無理して付け加えたエピソードに過ぎず、何をしたかったのか理解に苦しむ。
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