ハッドのレビュー・感想・評価
全3件を表示
クソ野郎ハッド。実の父からも疎まれるクソっぷり。話が流れ、その原因...
クソ野郎ハッド。実の父からも疎まれるクソっぷり。話が流れ、その原因や更生が描かれると思いきや、最後までクソ野郎を貫き通してしまった。
なんたる異色作。それゆえ本作に嫌悪感を感じる人がいるかもしれない。でもポール・ニューマンが演じているからか、なんか魅力的に見えてしまうから不思議。
コメントする (0件)
共感した! (0件)
寂れる西部の牧場を舞台にした人間模様
テキサスで牧場を経営するバノン家の次男ハッドを主人公に、父と子の確執、家畜伝染病口蹄疫に侵される不運、家政婦アルマとのすれ違い、甥ロンの離反など、人生の歯車が狂う男の虚しさを描いた西部劇。広大な土地を石油会社に売るエピソードでは、ジェームズ・ディーンの「ジャイアンツ」の時代と変わらないテキサスの姿がある。アカデミー賞ではパトリシア・ニールが主演女優賞、父役のメルヴィン・ダグラスが助演男優賞を得ている。主演のポール・ニューマンとロン役のブランドン・デ・ワイルドが悪いわけではない。飲酒運転の事故で兄を死なせたこと以外に父の信頼を失っていたハッドの内面描写が弱く、結局は一人ぼっちになる自業自得の役柄の曖昧さが、ニューマンに最良の演技をさせていないし、女と酒に溺れる自分勝手なハッドの役柄も、映画の最初からニューマンの個性と噛み合っていない。ワイルドは「シェーン」の名演とは比較できないが、叔父を慕いながらも反発していく年頃の少年の繊細さは表現している。見所は、待ちわび過ぎて耐え切れなくなる女の気怠さを抑えた色気で魅せるニールの演技と、空気が沈んだようなテキサスの景色を捉えたジェームズ・ウォン・ハウのキャメラ。
演劇の趣向が優先のマーティン・リットの演出は手堅く、ストーリーの流れが冗長な脚本が勿体ない出来。
全3件を表示