「2回観て欲しい」箪笥/たんす からあげくんさんの映画レビュー(感想・評価)
2回観て欲しい
クリックして本文を読む
解説無し、1回鑑賞しただけでこの映画が理解出来る人っているんだろうか。
見終わった後はネットで考察サイトを検索し、解答解説を読み答え合わせをした。
これってそういう事だったのか!と思う点がいくつもあって、私自身の映画鑑賞力の低さに愕然としてしまった。
前情報無く、暴力や殺人などの分かりやすいホラーを求めて観たため肩透かしをくらった。
しかしながら、この姉妹の救われなさと、ずっしりと重く胸の奥に残る悲しさ。素晴らしい物語だと感じた。
兄弟の片割れが実は死んでいるというネタはありがちだが、プラス多重人格となると頭がついていかなかった。
親戚の夫妻が家に招かれるシーンを思い返してみると、姉妹がいない点、継母を見て気持ち悪がる親戚夫妻と、確かに辻褄が合う。
そしてなんと屋敷には幽霊もいる。
整理すると、生身の人間の父と娘。娘の幻覚の妹と第二人格の継母。そして亡くなった母娘の幽霊との共同生活だった訳だ。どれが幻覚なのか、どれが実在しているのかが分かりにくいのが、この映画の難しいところだ。
新しい母なんて、年頃の少女には受け入れ難いだろう。
そこに実母の自殺と妹の事故死が重なる。しかも、継母に意地を張ってさえいなければ、妹は助かったかもしれない。
これは普通の人間なら病むでしょ。
妹が絶命する間際の涙は可哀想過ぎて泣いてしまった。
父も継母もまともな人間じゃない。
どうして子供の幸せを願ってあげられなかったのか。
いや、もっと何とかなったやろ。と悶々とさせる点が、ダンサーインザダークを観た時の感じに似ていると感じた。
こんなに悲しい映画、好物ですが、もう観たくないですね…
コメントする