「ほろ苦さと甘酸っぱさの“もしも”」打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?(1993) 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
ほろ苦さと甘酸っぱさの“もしも”
アニメ映画化もされた岩井俊二監督の青春中編作。
TVドラマプロジェクト『if もしも』の一本として1993年に放映され、その評判の良さから1995年に劇場公開もされた。
酷評の嵐だったアニメ映画版だが、確かにどちらが良かったと問われれば、愛着沸くのはこちら。
画面サイズもさることながら、懐かしのスーファミ(マリオワールドにストⅡ!)、観月ありさにセーラームーン、少年少女たちの好演、友情や淡い恋…。
ドンピシャの同世代なので、90年代のノスタルジックさに思いを馳せる。
また、“もしも”の展開的にも。
アニメ映画版は、“もしも”が多かった気がする。
あの時水泳に勝っていれば…。あの時電車に乗っていれば…。思い描いた“もしも”の世界ではなく、再びやり直し…。
過去に戻れるSF的なアイテムもあり、少々違うジャンルに。
本作の“もしも”は、あの時水泳に勝っていれば…の一回だけ。負けた場合=Aパート、勝った場合=Bパートの2段構成。
人生に、やり直せる“もしも”なんて無い。
でも、“もしも”、一回だけやり直せたら…。
いい結果になっていたか、変わらないままか…。
いずれにせよ、ほろ苦い後悔と切なさと甘酸っぱい“もしも”。
奥菜恵の魅力、超爆発!
実年齢も周りの少年連中より2コぐらい上で、小学生にしては大人び過ぎている気もするが、魅力を堪能するには充分。
“もしも”ではなく、正真正銘、奥菜恵のPVでもあった。
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