「青春の「傷」を描いた傑作」打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?(1993) ヤマカンさんの映画レビュー(感想・評価)
青春の「傷」を描いた傑作
まず奥菜恵の存在感。強烈だ。
彼女を見るだけでも価値がある。
少女が一瞬だけ見せる、狂おしくなるほどの輝き。
この作品はそれを見事に捉えた。
そして大人の階段の一歩目を上り始めた少年たちの、剥きだしの「純粋さ」。
それは必ずしも美しいものではない、時には醜く、陳腐だ。
でも僕らはみんな、その時を経て、大人になった。
どのシーンも秀逸だが、クライマックスのプールのシーンと4人の少年の(好きな異性を叫ぶ)絶叫シーン、これをカットバックにしたのが素晴らしい。
「純粋さ」が石つぶてのように、これでもかこれでもかと投げられる。
僕らはその痛みに、涙するのだ。
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