地球の危機のレビュー・感想・評価
全1件を表示
実は心理サスペンス
クリックして本文を読む
古くは1954年ウォルト・ディズニーが映画化した「海底二万哩」から昨年の「ハンターキラー 潜航せよ」まで多くの潜水艦映画がつくられてきました。海底の神秘やロマンもあればソナーを頼りに見えない敵と極限の密室状況で戦う緊張感、名艦長による高度の頭脳戦などもありテーマもさまざま、人気も高いジャンルです。
本作は1961年とやや古典的な部類の作品、邦題は「地球の危機」、バンアレン帯の炎上といった謎のクライシスも起きますが、原題はVoyage to The Bottom of The Sea(海底への航海)です。
TVシリーズにもなったスーパー原子力潜水艦シービュー号が主役の海洋アドベンチャーかと思いきや、艦の生みの親でもある上司(提督で科学者)のある決断を巡り疑心暗鬼になる艦長の心の揺れを描いた心理サスペンスといった方が良いかもしれません。
後年(1995)、トニー・スコット監督の「クリムゾン・タイド」も同じような艦長命令と事の重大性から万全を期したいと悩む副長と乗組員の葛藤の映画でしたので、その先駆けといった映画でもあります。精神病の権威から、終末論を唱える似非牧師のような人物まで乗り合わせ、バイアスの掛った状況説明、騙されまいと思ったり、落胆したり、思わせぶりの演出に翻弄されます、また小道具の伏線を冒頭に張っていたので肝心の時には忘れてしまいちょっと当惑。お約束のモンスター(タコやイカ)もチラっと登場、謎の潜水艦との水中戦もありますので猛暑の折、海底への航海はありかもしれません。
コメントする (0件)
共感した! (0件)
全1件を表示