「苦しむ描写が少なく、どうもリアリティがない」死ぬまでにしたい10のこと Chisaさんの映画レビュー(感想・評価)
苦しむ描写が少なく、どうもリアリティがない
若年性の末期癌で、余命数ヶ月と宣告された23歳のアン。彼女は、打ちひしがれながらも、診断の結果を誰にも言わず、治療も受けず、最期の日まで今まで通りの生活を続けるという選択をする。カフェで「死ぬまでにしたい10のこと」のリストを作り、家族のため、自分のために、リストの項目を一つずつ遂行していく。
家族、気付かないもんかね?末期癌よ??もともとスリムだから痩せても変わらなかったということか知らん。にしたって、ねぇ。
誰にも言わず、治療もしない。私にはできない選択。前者は無きにしも非ずだけど、後者はまず間違いなく無理。きっとメンタル崩壊して咽び泣くし。バレるし。溺れる者は藁をも掴む、じゃないけど自分が沈むときは誰かに一緒に沈んでもらいたい(沈むフリも可)と願う弱虫毛虫な私でっせ!
ついこの間、Facebookか何かで、大富豪が「いかに自分たちの生活が恵まれているか」を息子に教えるため、極貧の村にホームステイに行かせたという記事を読んだ。胸糞悪いよね。性格悪い金持ちが考えそうなこと。しかもありがちな結末で、息子は村の生活を思いの外楽しんだ挙句、裕福な本来の生活の方が自由も自然も生のコミュニケーションも少なくて「貧しい」と言ってのけ、父親を震え上がらせるという薄っぺらーーーーく教訓めいた話。ほんと糞だよ。
どういうわけか、この映画を観てこの記事を思い出した。何が幸せかはわからないよね、っていう。よくあるやつ。
娘2人と家族4人でオンボロのトレーラーハウスに住み、たぶん保険とか貯金もなくて、妻が夜勤の掃除のアルバイトで生計を立て、夫はついこないだまで無職。生きていくこと自体、大変だろうなぁ...とげっそりしてしまう一方、そういう生活だからこそできたシンプルでミニマルな選択なのかなぁ、と。最期の瞬間までアンは後悔することなく、リストの項目を達成した満足感と幸福感の中で死んでいく・・・うん、だめだ。やっぱりリアリティがない真顔製作者のメッセージはわかるような気がするけどきっともっと苦しまずにはいられないはずだよ... 癌だもん...orz
こういうミニマリスト的な考え方、最近流行ってる気がする。みんな何かと断捨離とかデトックスとかしてる。デトックスは関係ないか。なんにせよ私は遠くから軽く羨望しつつ、収集癖のある私には縁がないと諦めているのでした。ふっ。