レボリューション6のレビュー・感想・評価
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若気の至りの後始末
予想外に良い大人の青春映画でした。
15年も経てば人の思想や立場は変わるし、逆に変わらない、変われない人もいる。
ティムやホッテにしてみれば変わってしまったフロー達は裏切り者に見えるし、フロー達にしてみれば、ティム達は前に進めず時代に取り残されたガキに見える。そして彼らが前に進めなくなった一因という負い目もある。
トラブルや意見のぶつかり合いもあるし、ちょいちょい設定とか展開が雑だけど、なんだかんだで青春の再来って感じが良いし、終わり方も良い。
ただ、フローとマノフスキーをもう少し掘り下げて欲しかったな。仲間内ではフローの情報が少なすぎで謎が多かったし、あとでスッキリすることもなかった。自分が見てなかっただけかな?
マノフスキーについては過去に彼等との因縁のひとつでも欲しかったな。それか昔の映像のワンシーンで登場させて欲しかった。
勝ち組と負け組の戦い?
イギリスやドイツの映画によく見られるスタイリッシュな映像と編集。過去の悪事が露見する恐れと15年の歳月が6人の心の変化を上手く表現している。中には弁護士もいたりと各々成功している彼らにとっては過去の罪が暴かれたのではたまらない。そして、短絡的に警察へと進入して写ったフィルムを奪おうと計画。
舞台は西ベルリン。「資本主義者をつぶせ!」と叫ぶ反体制の若者だったが、単に不満をぶつけるだけのアナーキーな過激派であり、東西ドイツ統一にからむ思想はまったくない。大人になれば保身のために過去を消そうとする者と、常に社会に抵抗する者とが対比される。そして、警察に進入することが不可能だと知ると、爆弾をしかけて証拠を消そうと15年前を思い出して・・・
脚を無くしたホッテの迫真の演技もみものです。「左と右の闘いは終わった。今は勝ち組と頑固な負け組の戦いだ」というシビアのお言葉・・・かと言って、ひ弱な負け組にはなりたくないなぁ・・・
クライム・ムービーではあるが、なぜか清々しい気持ちにさせてくれる青春映画。たまたまではあるけど殺人だけはしない!言葉にはなってないが、ここが救いだな。
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