「予想外の展開に驚かされるが、それ以上の印象が無かった」ライフ・オブ・デビッド・ゲイル 根岸 圭一さんの映画レビュー(感想・評価)
予想外の展開に驚かされるが、それ以上の印象が無かった
予想外の展開に驚かされる映画。だが、登場人物にも共感できないし、驚く以上の印象は受けなかった。
まず、デビッドの「未来の人々を救うために少数の人間を犠牲にする」という行動の理屈は、それにどれだけの効果があるのかと疑問に思うので、共感できないが理解はできる。だがその割には事件が公になってからアルコール中毒になったり、公衆電話に八つ当たりしていたりと、現状を悔やんでいるような場面が出てくる。そこが、言動がちぐはぐな印象で、視聴者のミスリードを狙うだけの展開に見えた。
また、後半からの急展開の鍵となる、記者のピッツィーがビデオの秘密に気づくのに、それまでの行動があまり手がかりとして役立っていない。そのため強引に急展開のシーンを入れたような印象で、それまでのシーンは何だったんだろうと思う。
U-NEXTにある今作の紹介文は「死刑制度の是非や冤罪について問いかける、考えさせられる内容。」とある。だが、個人的には思考のねじ曲がった狂信的な死刑廃止論者の話で、別に考えさせられる内容でも無いと思えた。
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