「甘い話にはご用心」ライフ・オブ・デビッド・ゲイル odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
甘い話にはご用心
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不心得な女学生のハニートラップで社会的地位も家族も失った自暴自棄の大学教授と同僚の余命いくばくもない白血病の女教授が織り成す手の込んだ自己犠牲物語。
まあ、見方を変えれば死刑制度への問題提起を絡めた社会派ミステリーなのだろうが、観終わってみると事件解決のカタルシスというより、一杯食わされた感が強い。
(ネタバレ)
死刑囚の独占インタビュー料が50万弗、三流弁護士の欲得づくかと邪推したがある種、生命保険だったのですね。
女教授は信条の為だろうが主人公は社会的信条より現実的な選択、哲学者なのでソクラテスの死と被って見えるが意外と普通の父親だったのですね。
道を踏み外した発端といえば、枕営業のような不心得女学生の誘惑というのもありがち、うっかり甘言に乗ってしまうのも中年親父の弱いところ、破滅の墓穴は日常に潜んでいるという怖さの方が際立って思えます。しかし、手の込んだ脚本、とんでもないミステリーでした。
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