「オハナの意味をかみしめる」リロ&スティッチ(2002) Kaden三郎さんの映画レビュー(感想・評価)
オハナの意味をかみしめる
過去のテレビシリーズやスティッチブームの時には存在を意識していませんでしたが
スティッチエンカウンターの体験を機に気になる存在になり
映画を視聴し、ますます好きになりました。
実写版の観賞を機にまた何度も視聴しています。
ハワイの実在する島を舞台とした架空の物語で
交通事故で両親を亡くした年の離れた姉妹が
どうにか二人で生きていこうと姉は努力はしているものの
妹は風変わりで同級生ともなじめず家でも手を焼いており
日々の生活もままならず家庭崩壊状態のため
福祉局の介入で離れ離れになる寸前のところに
宇宙のかなた銀河連邦からの追放が決まった
違法な遺伝子実験により誕生した破壊兵器であるスティッチが脱走、
リロたちの住む島に不時着し、保護犬としてふるまうことで
リロに取り入りかくまってもらい、
共に生活する中でオハナ(=ハワイの血族コミュニティ、
そこから派生した血縁関係をも超越した広い意味での家族関係)を知り
最終的にはスティッチ捕獲の為派遣された宇宙人たちも含めた大きな家族として
一つ屋根の下で暮らしていくという話です。
絵にかいたような幸せな家庭で育った人にとっては
数としては多くないでしょうが共感できる部分は多くないかもしれません。
家族を失う、家庭崩壊、親を知らない、
友達とうまくいかない
家族になりたいけどなれない
など、自身に似たようなエピソードがある人にとっては
シーン一つ一つがグサッと心に刺さり
トラブル続きでいよいよというところから一気に風向きが変わり
大団円にホッとするのではないでしょうか。
エンディングの日常生活の一コマシーンや
デイヴィッドとの家族旅行写真
同居しているジャンバやプリークリーはもちろんのこと
福祉局職員のコブラバブルスも含めた
日々の暮らし、イベントを楽しんでいるスナップ写真にほっこりし、
リロが一番大事にしていた両親を含む家族写真の、
騒動で焼け焦げた部分に追加ではめ込まれたスティッチの写真にいじらしさを感じます。