巨人ジョーンズ
解説
黒人バリトンとしてアメリカの楽団ならびに舞台の2つながらで有名なポール・ロブソンが主演する映画で、原作をユージーン・オニールの名高い戯曲に取ったジョン・クルンスキーとジフォード・コクランとの2人が製作した作品である。監督は「スポーツ・パレード」「女学生の日記」のダッドリー・マーフィーで、脚色にはこれも知名の劇作家デュボース・ヘイワードがあたった。助演者としては「透明人間」「嵐の国のテス(1932)」のダッドリー・ディグスが重要な役を勤めるほか、フレディー・ウォシントン、ルビー・エルジー、フランク・ウィルソンその他、黒人が多数に出演している。撮影は「動物園の殺人」「密林の王者」のアーネスト・ホーラー。ちなみに、本映画に使用された音楽はロザモンド・ジョンソンの編曲になったものである。
1933年製作/アメリカ
原題または英題:Emperor Jones
ストーリー
黒人ブルータス・ジョーンズは青雲の志に馳せられ故郷の人々に送られつつ、恋人のドリーを残して国を出て、寝台車のボーイとなった。が、元来、狭い知恵と術作とに長けていることとて彼は機会を捕えるに敏だった。そして次第次第に出世して行った。友達ジェフの女アンデインを盗ったこともあるが、足手まといとなると見るとそれをすぐ捨てたこともある。だが、その彼もジェフと賭博のことから争いを始めて、機みとは言え彼を殺してしまった時には、鎖牢につながれ働かされて運尽きたかにみえたが、彼はその素晴らしい体力をもってここをも死に物狂いで脱走した。それから貨物船の火夫隣、効果意中の船から海に飛び込んで泳ぎ突いたのは太平洋のあるしまだった。この島では常時レムという王がいて、スミザースという白人が貿易長としてこのレムを利して暴利を貧っていた。スミザースはジョーンズの不敵さをみて使い道ありとし彼を買い取ったが、やがては却ってジョーンズのために反対に利用される身となった。その後、機を見てジョーンズは乾坤一擲の勝負に出てレムの王位を、覆し、自らこの島の頭となった。で、頭になるとジョーンズは己のこの島に於ける生命を3年と予定し、その期間にできるだけ島民から金を絞り取ることにした。が、この苛政に堪えかねた民の反抗は思ったより早く来てレムは人々を率いてジョーンズに迫ってきた。だが、味方は己1人となっても不敵なジョーンズは更に怯まず悠々賭して宮殿を立ち、反対の海岸に出てそこからフランス船にのろうと考えた。だが、それでジョーンズはかつて暴動の欺くあるを期して森の中には食料を隠していたのであるが、その場所すら見失った。また、彼は次々と嘗めて彼が殺した人々、レム、監視人や、それから魔物らの幻にも朶あった。そしてその集、彼は発砲して後信用の拳銃の弾丸を失った。欺く手、森の魔物に惑わされ、走り疲れ、逃げ疲れ、追っ手の太鼓のトムトムの音に脅かされた彼は遂に力尽きてレム等の手下の物の発つ弾丸に倒された。銀の弾丸でなければ己は殺されぬとはかつてジョーンズの豪語したところであるが、レムの手下は銀の弾丸を持っていたのである。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ダドリー・マーフィ
- 脚色
- デュボース・ヘイワード
- 原作
- ユージン・オニール
- 製作
- ジョン・クリムスキー
- ジフォード・コクラン
- 撮影
- アーネスト・ホーラー
- 編集
- ウィリアム・C・デミル