「もうちょっとで良い作品になったのに」至福のとき ジョニーデブさんの映画レビュー(感想・評価)
もうちょっとで良い作品になったのに
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コミカルなストーリー展開と、盲目の少女との出会いは、チャップリンの「街の灯」のオマージュと思い、最後は手術代ができて、 深圳の病院で 手術をして、目が見えるようになるラストを想像した。
特に少女が主人公の頭や顔を触るシーンを見た時は、かなりそのラストを確信したのだったが、実際にはやや消化不良気味のラストであった。
明るく、元気な姿で歩く姿は自立した大人の女性のようで、将来への明るい展望を予感させる印象的なものであったものの、現実的にはたった一人になった盲目の彼女は一体どうやって暮らすのか?あの時点では泊まるところもなかったはずだ。それに、交通事故に遭った主人公も生死の境にあって、死ぬのか、助かるのかもわからない状態で、スッキリしないし、彼にお世話になった彼女自身がこの事実を知らないと言うのは、なんとも切ない。
そもそも、この映画の雰囲気として、主人公が交通事故に遭う事自体ありえないだろう。あと、主人公が本当の父親に代わって書いた手紙は、主人公が直接盲目の少女に読むべきであろう。そのほうが感動的であったはず。
全体的にB級テイストの映画であったが、ヒューマンドラマとして良い雰囲気だったので、最後をもうちょっと工夫すれば、かなり良い作品になっていたと思うので、残念である。
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