「犯人が刑事を指定するのなら、その動機は説得力のあるものを提示して欲しい」スパイダー　よしさんの映画レビュー（感想・評価）

ＶＩＰの娘を誘拐した犯人に挑まれた市警の犯罪分析官が、犯人逮捕と人質救出の為に奔走する物語。

良く出来たサスペンスだと思います。
主人公アレックス・クロスと犯人の攻防に、人質になった少女の恐怖を交えながら、しっかりと描いています。
要所々々に山場が幾つかあり、ラストに向けてのどんでん返しも用意されていて、観るものを飽きさせません。

難点を言えば、犯人がアレックス・クロスを指定してきた動機の掘り下げが不十分であること。
そして、アレックス・クロスの事件解決への「気付き」が少し浅く感じます。もう少し捻ってくれないと、「それなら最初に気づけよ」と思ってしまいます。
犯人の内面等も描けておらず、サイコサスペンスとしては重さを感じにくいのも難点でしょうか？

ただ、映画としての面白さは十分にありますし、観やすさもありますから、鑑賞して損はない良作だと思います。