「人生を振り返り気付く父の思い」父よ Gustav (グスタフ)さんの映画レビュー(感想・評価)
人生を振り返り気付く父の思い
フィルムノワールの脚本家として有名なジョゼ・ジョヴァンニが若き日の父との葛藤と愛憎を追憶する、父と子の絆を描いた自伝映画。フィルムノワールの趣を持ちながら、中味はとてもセンチメンタルなタッチで綴り、心情吐露の繊細さが好感を呼ぶ作品になっている。主演のヴァンサン・ルクールとブリュノ・クレメールの演技がいい。作家ジョバンニの契機になる獄中での手記のエピソードが、デビュー作「穴」に繋がる。若さゆえ父に反抗し道を踏み外した男が大人になって漸く気付く、父の思いが胸を締め付ける。
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