「愚痴はこぼすな!道は足で歩け!」山の郵便配達 りかさんの映画レビュー(感想・評価)
愚痴はこぼすな!道は足で歩け!
中国は広い。日本とは桁違いだ。
最初の人家が続く道は明日香や吉野に似ているなと思っていたら、
棚田が広〜〜〜〜〜〜〜く広がるところを豆粒の大きさで歩いていた。
日本の風景だと、あの画面の大きさなら四隅はもちろんもっと畦道や道や森が点在しているが、何も無く棚田のみで画面一杯。
一度配達に行くと、二泊するのか。
90°ほどの勾配でロープを伝って登る道もある。
仕事に誇りを持つ父。
仕事自体が誇りだから、表彰や昇進は眼中には無い。
母は可愛い息子に苦労させたくない。
父は、
息子だから安心。
しかし、息子だから可哀想で悪いとも思う。
三ヶ月会えず、息子が生まれた手紙を読み
職場で盛大に祝ったことを話すと、
息子が初めて「父さん」と呼んだ。
父子関係がギクシャクするほど過酷な仕事か。
まだ仕事に疑問を持つ息子に、
友人や知識が増えるぞ、とも言う。
盲目で半身不随のおばあさんには、
孫のふりして手紙を定期的に書く(ふりして読む)
賢いのに通学せずに通信教育で優秀な成績を取る少年には、父のように見守る。
そして、息子に背負われた父は、昔、
息子が幼く自分がおぶっていた頃を思い出し、
そっと涙を拭い、
息子は、
「郵便物より軽い‥‥。」と言う。
疲れて寝ていた息子が、元気よく
郵便配達に出かけて行き、
見送る父の表情は、温かく厳しい。
フォロー、コメントありがとうございます。こちらこそよろしくお願いします。
りかさんと同じで私も観終わった後、清々しい気分になりました。いい映画ですね。
故郷、私の場合は色々と変わってしまいました。まさに、遠きにありて思ふものです。
りかさんへ
あの盲目のお婆さん、やはり寂しい孤独な老後ではあるのでしょうね。
でも、彼女の全てを見通したような物静かで懐の深い晩年は見事な生き様にも。
だからこそ、郵便配達の父親も、そんな彼女から得るものがあり、白紙の手紙を読む想いに至ったのであろうとも想像しました。
全てを分かり合えながらお互いを思い遣る心の交流は、人間かくあるべきとの人生の大切な指針を見せてくれているようで、私にとっては大切な作品となりました。
りかさんへ
コメントありがとうございました。
私は、監督の演出力を基準に映画鑑賞するタイプですが、この作品では、父親と息子はもちろんのこと、母親や“次男坊”の演技にも支えられて作品と感じ、特にあの盲目のお婆さんの名演技は、この作品のテーマに大きな効果をもたらしているように思える、俳優の演技力を認識した作品となりました。
リカさん、コメントありがとうございます。
もう一度観てからレビュー書こうと思っていたのに、配信に見当たらず・・・とりあえず、10数年前に書いてあった感想をアップしておきました。
『ナイル』へのコメントありがとうございます。
リカさんも結構観てますよね~
この映画はけっこう好きです。
仕事を全うすることで、人生までを感じさせるところが素敵でした!