ペイネ 愛の世界旅行
劇場公開日:1974年6月29日
解説
世界中を自由に旅行できるパスポートを手に入れた二人の恋人を描く長篇アニメーション。オリジナル・デザインはレイモン・ペイネ、製作はブルーノ・パオリネッリ、監督はチェザーレ・ペルフェット、脚本はヴェツオ・メレガリ、音楽はエンニオ・モリコーネ、主題歌をデミス・ルソスが歌っている。
1974年製作/87分/フランス・イタリア合作
原題または英題:Le Tour du Monde des Amoureux de Peynet
配給:日本ヘラルド映画
劇場公開日:1974年6月29日
ストーリー
第一部 やさしい恋人たち、ヴァレンティノとヴァレンティナは心楽しく世界一周旅行の旅についた。天使と悪魔が門番をしている天界への入口を無事通過すると、虹の階段が待っている。その虹を登りつめたところで第一のアクシデント。穴から落下するとそこはアラビアの砂漠。隊商に案内されてついたところはベツレヘムだった。そこでは粗末な馬小屋で一人の聖人イエス・キリストが誕生するところだった。次の国ギリシャは軍人の独裁国。けわしい山道を登った丘はアクロポリス。そこにパルテノン神殿があり、二人はそこからオランダへ向かう。レンブラントの絵画「トウルプ博士の解剖」がそのまま空になっている。そのあと、いきなりネモ艇長の支配する潜水艦“ノーチラス号”へ。いうまでもなくジュール・ヴェルヌの「海底二万哩」の世界だ。ドイツからスペインへ。灼熱の太陽が身を灼く闘牛とフラメンコの国。理想主義者ドン・キホーテの登場だ。弱きを助け、無法に抵抗し、悪と闘う孤高の剣士。スイスではかわいい子どもたちが、大人の抗議デモの真最中だ。それはウィリアム・テルの息子がリンゴを頭に乗せて父親の射る矢の的になっていることへの抗議なのだ。スイスから古都ローマへ。ここでは映画のロケ撮影が行われている。フィレンツェではスパゲッティやピザを食べたあと、ベスビオスの噴火にであう。やがて混迷した時代に原初的な信仰を掲げて聖フランチェスコが登場する。 第二部 霧もやの中から、次第に都市が形を現わしてくる。霧の都ロンドンだ。その濃い霧のためにヴァレンティノとヴァレンティナは迷子になったほどだ。二人はここでバッキンガム宮殿の舞踊会に招待されることになった。楽しいパーティで離れがたかったが、旅を急がなければならない。気球に乗り、北極を通過し、桜が満開の日本へ。そして次なる目的地はアメリカだ。アメリカ議会の建物を真二つに割ると、中で電話しているのはニクソン大統領である。どうやらコスイギンとホットラインでもめてるらしい。そのホットラインに乗って一路モスクワへ。コーカサスの合唱団、科学者、赤の広場。広場のスターリングラード駅から地下鉄に乗ると、着いたのはパリにあるスターリングラード駅だった。なつかしいパリ。モンパルナスの画家たち。ロートレック・ノートルダム寺院。モナ・リザがセーヌ河畔で涼んでいる。五月革命。「恋愛賛成、戦争反対」のプラカードを掲げた学生たち。緑したたる五月のパリは恋人たちにとって至福の地でもあろうか。旅もおわりに近づいて、ヴァレンティノたちは今こそ二人の場所を発見できるところだった。ブローニュの森の奥深く、誰も人が足を踏み入れたことのない静謐で、平和で沈黙の場所。その場所こそ、二人の愛の世界だった。夜のとばりが降りてあたりを闇がつつんでも、ベッドが置かれたそこだけは淡い光がさしているのだった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- チェザーレ・ペルフェット
- 脚本
- ヴェツオ・メレガリ
- 製作
- ブルーノ・パオリネッリ
- オリジナルデザイン
- レイモン・ペイネ
- 音楽
- エンニオ・モリコーネ
- 主題歌
- デミス・ルソス
- 字幕監修
- 岡枝慎二