「LAの悪徳デカの変異種」トレーニング デイ odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
LAの悪徳デカの変異種
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よくあるベテラン刑事と新人のバディものとは似て非なるサイコ風ミステリー。下品で気難しいベテラン刑事、どうもいつものデンゼルとは勝手が違うので違和感が漂い始める、それでも新人を鍛えようとする鬼軍曹風なのかと気を取りなおして見続けるのは演じているのがデンゼルだから、彼に限って悪い奴の訳がないと思いたがっている自分がいる。
だんだんこれはおかしいと気づき始めるのだが確信に変わるのはほぼ終盤、舞台はLA、「LAコンフィデンシャル」の昔から悪徳警官の聖地のようなところ、郷に入れば郷に従えではないが現代版の悪徳デカのDNAも単純な善悪では量りきれない複雑怪奇な変異を遂げていました。
荒唐無稽、傍若無人ではなく居るかもしれないと思わせるところが脚本とデンゼルの上手いところなのでしょう。まんまと一杯食わされましたが凄い映画でした。
デンゼルのファンとしてはこの役柄はあんまりの気もしますが新境地を拓いたという意味ではアカデミー賞も納得です。イーサン・ホークはノミネートどまりでしたが信念と現実の間で揺れる葛藤の演技は秀逸でした、この二人なくしては成立しない映画といっても良いでしょう。
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