「無条件で肯定してくれる人の存在」失われた週末 根岸 圭一さんの映画レビュー(感想・評価)
無条件で肯定してくれる人の存在
『アパートの鍵貸します』に続き、ビリー・ワイルダー監督の作品ということで鑑賞。
彼がアルコール依存症になった原因は、自己肯定感の喪失なのだろう。大学時代天才と言われるほど小説の才能があったドン。そんな彼が、いざ小説家になると中々筆が進まない。そこから立ち直れたのは妻ヘレンの献身による。そう考えると、彼のアルコール依存症の治療に必要なのは、病院や療養のための旅行以前に、無条件で彼を肯定してくれる人の存在だったのだろう。
アルコール依存症に陥り自分を否定するドン。そんな彼に対して、ヘレンはありのままの彼を受け入れ続けた。そういった男女の愛情を描けているのが秀逸な映画。
コメントする