劇場公開日 1947年12月30日

「傑出したビリーワイルダー演出」失われた週末 KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0傑出したビリーワイルダー演出

2020年7月15日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

アルコール依存症の主人公の程度が
徐々に進み、終いには盗み~自殺に対する
抵抗力さえも失い堕落するが
ラストで恋人の献身でようやく立ち直りの
切っ掛けを得るという、
たったそれだけの話で、
ともすると平板な映画になりかねない
ストーリーだが、
流石にビリー・ワイルダー、
ラストまで全く緊張感を途切れさせること
なく描ききっていると思う。
女優賞を除くアカデミー賞主要4部門獲得
に納得の内容だった。

ワイルダー作品では
「情婦」「アパートの鍵貸します」
が特に好きだが、
数十年ぶりに観たのこの映画も2作品に肉薄
していると再認識した。

ワイルダー作品は
「お熱いのがお好き」「七年目の浮気」等々内容自体はあまり好みではない作品
もないではないが、これらの作品も
脚本と演出力なのか、
上手な映画だなと思わせてはくれた。

「失われた週末」もアルコール依存症
(薬物・ギャンブル等の依存も同様に、
なのだとは思いますが)啓発の社会提言
の内容と相まって、
その監督の力量が充分に発揮された作品
になっていると感じた。

KENZO一級建築士事務所