劇場公開日 1954年4月15日

「男と女と男と女」私は告白する 赤ヒゲさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0男と女と男と女

2023年10月8日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

何故かあまりヒッチコックという感じがしませんでしたが、とても面白かったです。「第三の男」(49)を彷彿とさせるような光と影の映像も美しかったのですが、見所はやはり表には見えない人間の心理描写でしょうか。最初から犯人がわかってるパターンですが、周囲の人々や陪審員や裁判官、そして世間は、この神父(モンゴメリー・クリフト)の行為をどう見るのか、固唾を飲んで魅入ってしまいました。退役軍人が神に仕える身となっているという設定が物語に深みをもたらし、単純そうに見えた事件が思わぬ方向に広がっていくところも面白かったです。理詰めで追い込んでいくラルー警視(カール・マルデン)もなかなか魅力的でしたが、今作でもヒッチコック監督のブロンド美女を美しく撮る審美眼は大いに発揮されていましたね!二組の男女が織りなす哀しいドラマでもありました。

赤ヒゲ