劇場公開日 1954年4月15日

「これぞヒッチコックという満足感がある」私は告白する あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0これぞヒッチコックという満足感がある

2019年2月20日
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正直者にも程があるという物語
この物語を成立させるには、主人公が正直かつ真面目一方でかつそれが危うさを感じさせる配役で有ること、かつ高い演技力を持っていること
そして夫人役は警察での長い供述シーンに耐える演技力が美貌だけでなく必要になる
さらにその二人を追い詰める警部役は如何にも強面のプロフェッショナルな雰囲気が必要だ
ヒッチコックはそれぞれモンゴメリー・クリフト、アン・バクスター、カール・マルデンを起用する
流石の配役だ
特にモンゴメリー・クリフトの目の光、目の演技は物凄いものがある
それ以外の役者も芸達者ばかり
彼らが一同に揃う終盤の法廷シーンでの目線のやり取り、瞳のいろ
これぞヒッチコックだ

冒頭から切れの良い映像が続き、凝った構図や陰影の強い画面が、美しいカナダケベックの街で展開される
ケベックはカナダに在ってフランス語圏であり古い石造りの町並みが本作のテーマにマッチしている
白黒映画屈指の美しさだと思う

あき240