「色即是空」惑星ソラリス Garuさんの映画レビュー(感想・評価)
色即是空
全編に渡って沈鬱な空気が画面を漂っている。 カラーとモノクロのシーンが交互に現れ、登場人物の感覚や思考を炙り出す。 会話のリズムは非常にゆっくりで、内容は内省的で哲学的。 旧ソ連作品ならではの粗末なセットが、独特のリアリティと重厚感を醸し出す。
印象を一言で言うと、幻想的。 ただし、イメージと雰囲気だけで流したりぼやかしたりはしていない。。 人物の心理と行動が考え抜かれた演出で描かれており、最後まで退屈を感じない。 2時間40分を見入ってしまう。
原作は読んでいないが、この作品を見る限り、まさにこの世のカオス、「色即是空」の世界観を描いているように思えた。 監督は、イメージ通りの物語を具現化できたのではないだろうか。
ロシアには、ドストエーフスキーもトルストイもタルコフスキーもいた。 プーチンにも、もっと人間らしく悩み苦しんでほしいものだ。
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