「モアの 思想家としての意味」わが命つきるとも jarinkochieさんの映画レビュー(感想・評価)
モアの 思想家としての意味
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処刑癖のある ヘンリー8世の下で働くのも、生きるのも 大変だったろう
トマス・モアは法律家としての存在感だけでなく、思想家としての偉大さもある
すねに傷持つ王の屈折や 思想的に負けるクロムウェルの嫉妬と憎しみと王への追従
(でも、あんなに尽くしたのに 惨殺される!)
この辺の 人間関係の複雑さを よく描いている脚本である
ジンネマン監督は それを 上手く掬いとって映像化した
モアの思想家としての意味(現在だけでなく、後世に及ぼす影響力)を 考えると、
意見を変える事など 考えられない
当然の帰結である
スコフィールドが 運命をも見据えたようなモアを演じている
リチャード・リッチの狭量さを ジョン・ハートが、
アンの艶やかさと存在感を レッドグレイブが、
上手く演じていると思う
ヘンリー8世の ロバート・ショウも!
肉屋出身のウルジー枢機卿を 演じる、
オーソン・ウェルズの肉体表現(膨張)にも、驚く
個性的な俳優達の「群像劇」としても、楽しめる映画になった
リッチの 後世の評価は
「無節操な出世主義者」であり
この映画により 「イギリス史上最悪の人物賞」(BBC)を受賞している
(他にも いる)
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