劇場公開日 1969年8月9日

「アクションだけじゃない多面的な洞察力」ワイルドバンチ keitaさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5アクションだけじゃない多面的な洞察力

2012年5月24日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

興奮

伝説的なラストの「死の舞」は、細かいカット割りとスローモーションにより芸術の域にあることに異論は無い。
ペキンパーは文明の波にのまれる西部の男達を哀愁漂う雰囲気で描き出すが、その演出の背景には彼の前衛的な試みが満載であることも興味深い。
ガンアクションを主軸に置いた西部劇だが、そこには文明に取り残される彼らを際立たせる細やかな気遣いがみてとれる。
例えば、今までにこの作品ほど子供が出てくる西部劇があっただろうか。
どの場面でも現れる子供達はそのまま新たな文明、世代の息吹を示唆させる。 子供がパイクに致命的な一撃を与える場面も見逃せない。

ダイナミズムと繊細さ、深い洞察力を有する最後の西部劇だ。

keita