「こんな物語は現実的ではないけれど」ワーキング・ガール Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
こんな物語は現実的ではないけれど
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総合:70点
ストーリー: 65
キャスト: 75
演出: 75
ビジュアル: 70
音楽: 65
世の中は不条理だらけでそんなうまくいくわけないよなと思いつつ、こんなことがあればいいなという願望が満たされる映画である。
学歴社会のアメリカの金融業界では、よい学歴・経歴のない者はそれだけで成功するための機会を最初から与えられない。自分は実力はあるのにと思って奮闘するメラニー・グリフィス演じるテス・マクギルのこの映画の成功物語は、ビジネスにおける会社の規則を破っていて現実的ではない。それでも困難にぶつかりもがきながらも前進しようとする姿はちょっと不恰好でも応援したくなる。
そもそもこの映画でメラニー・グリフィスは洗練された感じではなく、むしろ冴えない田舎者といった感じ。そこに親しみやすさがあるのかもしれない。これは特に彼女の敵役のシガニィー・ウィーヴァー演じるキャサリン・パーカーが、いかにも洗練されたエリート風であるのに加えて色々とずるいことをする典型的な憎まれ役を演じているので余計である。だが元々能力もやる気もあるが今ひとつ運にも見放されている彼女が、少しずつ洗練され幸運にも味方される姿が可愛らしい。またハリソン・フォードがこれまた典型的ないい彼氏役を演じるという、けっこうベタな物語。人生うまくいって何の不安もないときも、或いは人生うまくいかずに疲れたときにはこんな物語もいいのでは。
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